[モスクワ 7日 ロイター] - フランスのマクロン大統領は7日、訪問先のモスクワでロシアのプーチン大統領と会談し、戦争回避と信頼構築の意向を伝えた。
マクロン氏は、ロシアによるウクライナ国境沿いでの軍増強を受け、主要な西側諸国のトップとしてロシアを訪問。プーチン氏に対し「戦争を回避し、信頼、安定、予見可能性を築く」ための「有益な」対応を模索していると述べた。
プーチン氏はこれに対し、ロシアとフランスは「欧州の安全保障の分野で起きていることに懸念を共有している」とし、危機解決に向けフランスは多くの取り組みを行っているとの認識を示した。
4月の大統領選で再戦を目指すマクロン氏は、今回の危機解決に向け仲介役としての役割を果たそうとしており、ロシアに向けて出発する前、仏紙ジュルナル・デュ・ディマンシュに対し「ロシアの現在の地政学的な目的は明らかにウクライナではなく、北大西洋条約機構(NATO)、および欧州連合(EU)との共存に向けたルールの明確化にある」と述べていた。
マクロン氏はモスクワ到着時に記者団に対し「即座に奇跡が起きるとは考えていないが、楽観的に構えている」と発言。ロシア大統領府のペスコフ報道官は「状況は複雑で、1回の会談で決定的な突破口が開けるとは予想していない」と述べていた。
16年にわたりドイツを率いてきたアンゲラ・メルケル氏の後を引き継いだドイツのショルツ首相は、7日にワシントンでバイデン米大統領と会談。来週ウクライナを訪問する。