[ワシントン 11日 ロイター] - ガーランド米司法長官は11日、連邦捜査局(FBI)がフロリダ州パームビーチにあるトランプ前大統領の邸宅「マールアラーゴ」を家宅捜索したことを認めた。政治的報復行為とトランプ氏が反発したことを受け、捜索令状を公開するよう裁判所に求めたことも明らかにした。
この問題に関連し米紙ワシントン・ポスト(WP)は同日、核兵器に関する文書の捜索が行われたと報じた。文書が押収されたかどうかは不明という。
令状が公開されれば、捜索対象が明らかになる可能性がある。
トランプ氏宅の捜索は、同氏が退任間際にホワイトハウスから違法に記録を持ち出した疑惑に関する捜査の一環。司法省は持ち出された記録の一部は機密文書だと考えている。
ガーランド氏は記者会見で、自身が捜索を承認したと述べた。司法省は、押収物に関する文書も編集後公表するよう求めている。
米司法当局は通常、国民の権利保護の観点から現在実施している調査に関する発言を控えるため、ガーランド長官が捜索実施を認めたのは極めて異例。今回は、トランプ氏自身がFBIの捜索を受けたと公表していた。
長官はトランプ氏が公表したことに加え、「捜索を取り巻く状況、この件に関する国民の高い関心」を踏まえて令状の公開を請求したと説明した。
事情に詳しい関係筋によると、FBIはトランプ氏宅から段ボール箱約10箱分の資料を押収した。トランプ氏は捜索時にフロリダにいなかった。
トランプ氏は11日、自身が立ち上げたSNS(交流サイト)アプリ「トゥルース・ソーシャル」で捜索関連の文書をすぐに公表するよう求めた。
「捜索に関連した文書の公表に反対するつもりはない。それどころか即座の公表を促す。私に対する攻撃に執着する極左の民主党員、場合によっては将来の政敵が作成したものであってもだ」と主張した。
捜索令状の公開にトランプ氏の弁護団が異議を唱えるかは不明。
これに先立ちトランプ氏は「私の弁護士と代理人は全面的に協力しており、非常に良好な関係が構築されている。米政府が望むものをわれわれが保有していれば、米政府は何でも入手することができる」と投稿していた。
トランプ氏の家宅捜索を引き金に、ネット上では司法省に対し批判や脅迫が飛び交った。トランプ氏支持者や共和党員の一角は、民主党がトランプ氏を標的とするためにFBIを武器にしていると非難した。
こうした中、11日にはオハイオ州シンシナティにあるFBIビルに武装した男が侵入を図ろうとした後に逃走し、警察官らと銃撃戦に発展する事件が発生した。
ガーランド長官はFBIおよび司法省の「公正性に対する不当な攻撃を静観することはない」と強調した。
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