[サンパウロ/ブラジリア/リオデジャネイロ 3日 ロイター] - ブラジルで2日に行われた大統領選は、ルラ元大統領と現職ボルソナロ氏による30日の決選投票に進むことになった。選管当局が発表した。
選挙管理を統括する高等選挙裁判所によると、開票率99.9%時点で、ルラ氏の得票率は48.4%、ボルソナロ氏は43.2%。どちらも過半数に達しないことになった。
複数の世論調査では、ルラ氏がボルソナロ氏を10─15%ポイントリードしており、決選投票が回避されるとの見方も出ていた。政治評論家はまた、ルラ氏が大差で勝利すれば、敗北しても認めない姿勢を示しているボルソナロ氏が選挙結果に異議を唱えづらくなる可能性があると指摘していた。
ルラ氏は今回の結果について、自身の勝利が先になっただけであり、ボルソナロ氏と討論で直接対決することを楽しみにしていると表明。「彼(ボルソナロ氏)が築いたブラジルとわれわれが築いたブラジルを比較できる」と記者団に語った。
ボルソナロ氏は世論調査会社が自身の支持率をうまく測れなかったことを非難。記者団に「この選挙に勝つために私は右派政治同盟をつくるつもりだ」と述べ、2日の総選挙で自身の党が議会で大きく前進したことに触れた。
上院では改選27議席のうち19議席を同氏の右派同盟が占め、下院でも支持の厚さがうかがえる。
Insperビジネススクールの政治学者、カルロス・メロ氏は「極右勢力はブラジル全土で非常に強い。決選投票でのルラ氏勝利の可能性は低くなった。ボルソナロ氏は再選に向けて力をつけるだろう」と語った。