[9日 ロイター] - ロシアと国際原子力機関(IAEA)は9日、ロシアの支配下にあるウクライナのザポロジエ原子力発電所周辺に安全地帯を設置する構想を前進させることを望むと表明した。
IAEAのグロッシ事務局長はこの日、モスクワでロシアの国営原子力企業ロスアトムのアレクセイ・リハチョフ社長と会談。ロスアトムが公開したビデオによると、リハチョフ氏は会談後にグロッシ氏と並び「今回の極めて重要な会談が、ザポロジエ原発の周辺に安全地帯を設置することに一歩近づくきっかけになる可能性がある」と述べた。
グロッシ氏は、状況は「極めて不安定」とし、ザポロジエ原発の安全性について改めて懸念を表明。10日もロシア当局者との折衝を続けるが、「明日も作業を継続できるよう望んでいる」と語った。
ロスアトムはこれに先立ち「グロッシ事務局長はザポロジエ原発に原子力安全保護区域を設置する構想の推進を提起した」とし、「リハチョフ氏はグロッシ氏の構想の実施に向けた作業を継続する用意があると表明した」としていた。
ザポロジエ原発は昨年2月のロシアによるウクライナ全面侵攻開始直後に制圧され、ロスアトムの管理下に置かれている。