■要約
クオールホールディングス (T:3034)は大手調剤薬局チェーンの1社で、調剤薬局店舗数で第2位、売上高で第3位(上場企業ベース)の位置にある。
マンツーマン薬局と、異業種連携による新業態薬局との2本柱体制に特徴がある。
他に、BPO事業においてCSO事業やCRO事業、派遣・紹介事業等を行っている。
1. 2019年3月期第2四半期は減収減益ながら計画に沿って順調に進捗
同社の2019年3月期第2四半期決算は、売上高69,025百万円(前年同期比3.3%減)、営業利益3,069百万円(同27.8%減)と減収減益で着地した。
2018年4月に薬価・調剤報酬が改定された影響により主力の保険薬局事業は当初の見込みどおりに減収減益となったが、計画に対しては売上高、利益ともに上回って着地した。
期中に調剤技術料の底上げが進み、処方箋単価の下落幅が想定よりも縮小したことが奏功した。
BPO事業は、CSO事業や派遣紹介事業を中心に順調に売上げを伸ばしたが、利益面では費用が先行して減益となった。
前年同期比で減収減益ではあったがおおむね計画どおりの順調な決算だったと言えるだろう。
2. 患者に求められる薬局づくりと規模の拡大を大きな柱に持続的成長を狙う
同社は2018年10月から持株会社体制に移行した。
意思決定の迅速化という持株会社体制のメリットを生かして、保険薬局事業とBPO事業のそれぞれの成長戦略の実現と、新規事業の開発・育成を急ぐ方針だ。
保険薬局事業では規模(店舗数)の拡大が成長戦略の軸となる。
これについてはマンツーマン型店舗をコアビジネスとする同社の特長を生かして、積極的にM&Aの機会を追求する方針だ。
同時にまた、自社出店では異業種連携を深掘りして街ナカ・駅チカ・駅ナカでの面対応型の店舗を拡大する計画だ。
BPO事業はCSO事業を核とする構図に変更はないものの、派遣紹介事業やCRO事業等を一段と強化し、BPO事業の持つ高収益性という特長をさらに追求していく方針だ。
3. 2019年3月期は調剤報酬改定の影響で減益ながら、相対的にリカバリーは早いとみる
2019年3月期通期について同社は、売上高152,000百万円(前期比4.5%増)、営業利益8,000百万円(同12.0%減)を予想している。
これらの数値は期初予想から変更はない。
保険薬局事業は下期に新規出店及びM&Aを加速させるほか、調剤技術料の巻き返しによる処方箋単価の押し上げと処方箋応需枚数増加によって既存店売上高も底上げし、下期には前年同期比増収に転じる計画だ。
BPO事業においても、主軸のCSO事業を始め、派遣紹介、CRO、出版の各事業で2019年3月期下期に売上げを伸長させ、通期ベースで前期比増収の実現を目指している。
■Key Points
・保険薬局事業とBPO事業の2本柱を成長戦略の核としつつ、新規事業の早期育成も目指す
・保険薬局事業では規模(店舗数)の拡大が最大の成長戦略
・CSO事業では専門領域の知識アップでCMRの質を向上させ、顧客からの信頼獲得で収益拡大につなげる
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)
クオールホールディングス (T:3034)は大手調剤薬局チェーンの1社で、調剤薬局店舗数で第2位、売上高で第3位(上場企業ベース)の位置にある。
マンツーマン薬局と、異業種連携による新業態薬局との2本柱体制に特徴がある。
他に、BPO事業においてCSO事業やCRO事業、派遣・紹介事業等を行っている。
1. 2019年3月期第2四半期は減収減益ながら計画に沿って順調に進捗
同社の2019年3月期第2四半期決算は、売上高69,025百万円(前年同期比3.3%減)、営業利益3,069百万円(同27.8%減)と減収減益で着地した。
2018年4月に薬価・調剤報酬が改定された影響により主力の保険薬局事業は当初の見込みどおりに減収減益となったが、計画に対しては売上高、利益ともに上回って着地した。
期中に調剤技術料の底上げが進み、処方箋単価の下落幅が想定よりも縮小したことが奏功した。
BPO事業は、CSO事業や派遣紹介事業を中心に順調に売上げを伸ばしたが、利益面では費用が先行して減益となった。
前年同期比で減収減益ではあったがおおむね計画どおりの順調な決算だったと言えるだろう。
2. 患者に求められる薬局づくりと規模の拡大を大きな柱に持続的成長を狙う
同社は2018年10月から持株会社体制に移行した。
意思決定の迅速化という持株会社体制のメリットを生かして、保険薬局事業とBPO事業のそれぞれの成長戦略の実現と、新規事業の開発・育成を急ぐ方針だ。
保険薬局事業では規模(店舗数)の拡大が成長戦略の軸となる。
これについてはマンツーマン型店舗をコアビジネスとする同社の特長を生かして、積極的にM&Aの機会を追求する方針だ。
同時にまた、自社出店では異業種連携を深掘りして街ナカ・駅チカ・駅ナカでの面対応型の店舗を拡大する計画だ。
BPO事業はCSO事業を核とする構図に変更はないものの、派遣紹介事業やCRO事業等を一段と強化し、BPO事業の持つ高収益性という特長をさらに追求していく方針だ。
3. 2019年3月期は調剤報酬改定の影響で減益ながら、相対的にリカバリーは早いとみる
2019年3月期通期について同社は、売上高152,000百万円(前期比4.5%増)、営業利益8,000百万円(同12.0%減)を予想している。
これらの数値は期初予想から変更はない。
保険薬局事業は下期に新規出店及びM&Aを加速させるほか、調剤技術料の巻き返しによる処方箋単価の押し上げと処方箋応需枚数増加によって既存店売上高も底上げし、下期には前年同期比増収に転じる計画だ。
BPO事業においても、主軸のCSO事業を始め、派遣紹介、CRO、出版の各事業で2019年3月期下期に売上げを伸長させ、通期ベースで前期比増収の実現を目指している。
■Key Points
・保険薬局事業とBPO事業の2本柱を成長戦略の核としつつ、新規事業の早期育成も目指す
・保険薬局事業では規模(店舗数)の拡大が最大の成長戦略
・CSO事業では専門領域の知識アップでCMRの質を向上させ、顧客からの信頼獲得で収益拡大につなげる
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)