17日の欧米外為市場では、ドル・円は上げ渋る展開を予想する。
欧州通貨安などを背景にドル選好地合いに振れやすい地合いが継続する可能性があるが、心理的な節目の110円付近にはドル売り圧力が観測されるなか、週末を意識した調整の売りも見込まれる。
16日の海外市場では、サルビーニ伊副首相が財政規律を破ると明言するなど欧州連合(EU)の財政悪化に懸念が高まった。
また、今月予定される欧州議会選への影響に思惑も広がり、ユーロが大きく売られる展開に。
さらに、英国ではメイ首相への退陣圧力からポンド売りが強まるなど、欧州通貨売りでドル選好地合いに振れた。
そうしたなか、米フィラデルフィア連銀製造業景気指数の堅調な内容を受け株価や長期金利が上昇し、ドル・円は一時109円96銭まで強含んだ。
本日アジア市場でもドル買い地合いは継続しドルは1週間ぶりに110円台を回復する場面もあった。
ただ、17日の欧米市場でドル・円の110円台定着は想定しにくい。
米国は日本に対し自動車の輸出数量規制を求めない方針だが、日本株高・円安の効果は限定的となった。
足元では米中貿易協議の先行き不透明感は払しょくされておらず、リスク回避的な円買いがドルの上昇を抑えそうだ。
また、引き続きイタリアの財政懸念でユーロ・円が下げやすく、クロス円は弱含むだろう。
23時発表の米5月ミシガン大学消費者態度指数が市場予想と一致、または上回った場合、株高を通じてドル買いに振れやすい見通し。
半面、週末の調整による売りも出やすく、ドルは上げ渋ると予想する。
【今日の欧米市場の予定】・18:00 ユーロ圏・4月消費者物価指数改定値(前年比予想:+1.7%、速報値:+1.7%)・23:00 米・4月景気先行指数(前月比予想:+0.2%、3月:+0.4%)・23:00 米・5月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値(予想:97.1、4月:97.2)・24:15 ウィリアムズNY連銀総裁が地域会合に参加・02:40 クラリダ米FRB副議長講演・03:00 ウィリアムズNY連銀総裁が第2回地域会合に参加・EU財務相理事会