[ワシントン 16日 ロイター] - 米労働省が16日に発表した3月11日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は前週から2万件減少し19万2000件となった。ロイターがまとめた市場予想(20万5000件)以上の減少となり労働市場の持続的な堅調さが示唆された。
3月4日までの1週間の継続受給件数は前週比2万9000件減の168万4000件だった。
調整前の申請件数は2万1396件減の21万7444件。前週に大きく増加したニューヨーク州で1万5305件減少したほか、カリフォルニア州、ジョージア州、オレゴン州、ミネソタ州でも減少。一方、インディアナ州とオハイオ州では増加した。
FRDBONDS(ニューヨーク)のチーフエコノミスト、クリス・ラプキー氏は「労働市場で新たなレイオフの兆候は見られておらず、実態経済は急速に悪化していない」と指摘。ただ、米銀2行の経営破綻を受け、銀行部門の問題の影響波及が懸念される中、一部エコノミストは市場のボラティリティの高まりを受け、企業が一段と慎重になり、雇用や拡大計画を見直す可能性があるとの見方を示している。
PNCのシニア・エコノミック・アドバイザー、スチュアート・ホフマン氏は「向こう数カ月で職を失う人は失業保険の受給が必要になる可能性が高い」と指摘。モルガン・スタンレー(ニューヨーク)のチーフ・エコノミスト、エレン・ゼントナー氏は「向こう数カ月で成長率と雇用増が大幅に減速するとすでに予想されており、信用状況が大幅に引き締まると見られる中、経済の軟着陸が困難になるリスクが高まる」としている。