[フランクフルト 16日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのワイトマン独連銀総裁は16日、ECBがパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の規模を拡大したことについて、政府の財政規律を監視する市場の力が弱まる恐れがあるとの見解を明らかにした。
新型コロナウイルス危機によりECBの新たな支援策が必要になったと認めた上で、ECBは国債保有者としての影響力が一段と強まると指摘し、PEPPはコロナ禍が収束したら終わらせる必要があると述べた。
ECBは先週の理事会でPEPPの全体的な規模を1兆8500億ユーロに5000億ユーロ拡大した。
ワイトマン氏は「(市場の規律が緩むという)この問題はPEPPの増額によって特に悪化した」と指摘し「緊急的な金融政策が恒久的なものにならないよう注意する必要がある。危機後には縮小しなければならない」と強調した。
また政治家が低金利の継続を求めても、インフレ見通しが変化し金融政策の正常化が必要になれば実行しなければならないと主張した。
「しかし中央銀行にとって良い状況のときに拡張的なスタンスを変えることはますます難しくなるかもしれない。誰もが金利上昇を望むわけではないからだ」と付け加えた。