10日の中国本土市場は値下がり。
主要指標の上海総合指数は、前日比12.93ポイント(0.44%)安の2915.30ポイントと3日続落した。
約3週ぶりの安値水準を切り下げている。
上海A株指数も下落し、13.48ポイント(0.44%)安の3053.52ポイントで取引を終えた。
株式需給の悪化を警戒した売りが続く。
22日に取引がスタートするハイテク・スタートアップ企業向け株式市場「科創板」では、25社が新規株式公開(IPO)し、調達額は計310億8900万人民元(約4890億円)に上る見込み。
2018年A株IPO調達総額の23%に相当する規模となる。
また、今週から6月の中国経済指標が相次いで発表されるため(12日に貿易統計、15日に小売売上高や鉱工業生産、四半期GDP、15日までに金融統計など)、結果を見極めたいとするスタンスも買い手控え要因となっている。
朝方公表された中国物価統計では、消費者物価指数(CPI)の上昇率が前月並みとなる一方、生産者物価指数(PPI)は横ばいの0.0%だった。
PPIは予想に届かず、一部からはデフレ懸念の再燃を警戒する声も聞かれている。
米中の高官が電話協議したと伝わったことなどを材料に指数はプラス圏でスタートしたものの、上値は重く、程なくマイナスに転じた。
業種別では、資源・素材が安い。
中国石油化工(600028/SH)が1.1%、中国北方稀土(600111/SH)が2.4%、安徽海螺セメント(600585/SH)が2.3%ずつ下落した。
不動産株も下げが目立つ。
上海世茂(600823/SH)は2.6%安で引けた。
インフラ関連株、自動車株、運輸株、金融株の一角も売られている。
半面、半導体関連株は高い。
北京兆易創新科技(603986/SH)が5.1%上昇した。
消費関連株、航空・防衛関連株、医薬品株も買われている。
一方、外貨建てB株は値下がり。
上海B株指数が3.46ポイント(1.19%)安の286.48ポイント、深センB株指数が2.53ポイント(0.26%)安の977.57ポイントで終了した。
【亜州IR】