[ロンドン 14日 ロイター] - 英競争規制当局の競争・市場庁(CMA)は14日、米アルファベット傘下グーグルとアップルの2社が、携帯電話の使用方法を「強力に」支配しており、重要な選択肢を奪ってコストを上昇させる可能性があるとの見解を発表した。2社がそれらの市場支配力で影響力を高め、ほぼ自己完結的なエコシステムを構築しているとの暫定的な判断を示した。
英政府の支援下でCMAはIT企業の行使力に対する監視を強化しており、この声明は新たな警告となる。
CMAは最近、フェイスブックを運営する米メタ・プラットフォームズに対し、2020年に買収した人気のアニメーション画像(GIF)制作・共有サイト大手のジフィーを売却するように求めた。
CMAは14日、アップルとグーグルの初期調査結果について来年2月7日までに意見の回答を求めると発表した。最終報告書を来年6月までに発行する予定。
CMAの最高経営責任者(CEO)、アンドレア・コシェリ氏は「アップルとグーグルは私たちの携帯電話の使用方法を強力に支配しており、英国各地の何百万人もの人たちが不利益を被っているのではないかと懸念する」と述べた。
クリス・フィルプ技術・デジタル経済相は、英国の「新しい競争促進体制」が巨大IT企業と中小企業の間の競争条件を公平にすると指摘した。
アップルは、自社のエコシステムがセキュリティとプライバシーを提供し、企業の商品販売と雇用の創出を可能にしていると主張。「アップルは、イノベーションが盛んになるような、活発かつダイナミックな市場を信じている」とコメントした。
グーグルは、基本ソフト(OS)の「アンドロイド」は他のどの携帯端末用のプラットフォームよりも利用できるアプリやアプリストアを決める際の選択肢が多いと指摘。そのエコシステムは英国で25万人近くの雇用を支えており、最近の変更によって開発者の99%がサービス料を15%以下に抑えられるようになったと訴えた。
グーグルは「私たちは消費者に力を与え、開発者の成功を支援するような繁栄したオープンなプラットフォームの構築に全力を注いでいる」とコメントした。
CMAの報告書では、ユーザーが機能やデータを失わずに、アップルのOS「iOS」とグーグルのアンドロイドの携帯電話を簡単に切り替えられるようにするといったさまざまな選択肢が提示されている。
利用者がアップルのアプリ配信システム「アップストア」やグーグルの「プレイストア」以外の方法でアプリをインストールできるかどうかについても検討している。