[東京 15日 ロイター] - 午前の東京株式市場で、日経平均は前営業日比127円58銭高の2万7946円20銭と、反発した。前日の米国株式市場が上昇したことを好感したが、引き続き米利上げに対する警戒感が強く、上値に慎重な様子がうかがえる。
14日の米国株式市場は上昇。ほぼ予想通りとなった卸売物価指数(PPI)を受けて前日の売りの流れに歯止めがかかった格好となった。これを受けて日本株も堅調に推移したものの、前日の下げ幅を考慮すると戻りが鈍いとの印象を与えている。
市場では「米利上げに対する警戒感が強いため、投資家は動きにくい。来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)までは、見送りムードが強くなりそうだ」(国内証券)との声が聞かれ、前場は高値引けになりながらも、目安として意識される2万8000円には届かなかった。
野村証券・投資情報部ストラテジストの神谷和男氏は「きょうは出来高がかなり薄くなっており、相場格言にある閑散に売りなしの一日になりそうだ」とコメントしていた。
物色面では、半導体関連株のほか、前日の急落場面においても底堅かったリオープン(経済再開)関連株などしっかりだが、値下がりしたセクターも少なくない。東証33業種のうち12業種が値下がりし、中でも鉄鋼の下げが目立った。
TOPIXは0.36%高で午前の取引を終了。東証プライム市場の売買代金は1兆2078億2100万円だった。個別では、任天堂が商いを伴って堅調な展開となったほか、東京エレクトロンもしっかりだった。日本航空やJR東日本なども買われたが、日本製鉄はさえない。
プライム市場の騰落数は、値上がり1029銘柄(56%)に対し、値下がりが691銘柄(37%)、変わらずが116銘柄(6%)だった。