[東京 12日 ロイター] - JFEホールディングスは12日、2022年3月期(国際会計基準)の連結事業利益予想を2000億円から3500億円(前期は129億円の赤字)に上方修正した。国内外の経済持ち直しを背景に鋼材需要の回復傾向が継続、鉄鋼事業の増益が寄与する。鉄鋼事業は国内は製造業向け、海外は中国内需がけん引する形で需要が増加している。
事業利益3500億円のうち、上期1950億円に対して下期は1550億円を予想している。下期に鈍化するのは、高値が続く原料価格の鋼材価格への転嫁のズレを見込んでいるため。
鋼材需要は自動車がけん引してきたが、工作機械などの好調に加え、建設や造船も動き始めているという。
純利益予想は1300億円を2400億円(前期は218億円の赤字)に引き上げた。IBESがまとめたアナリスト10人の予想平均値は1544億円で、会社計画はこれを大きく上回る。2400億円は、2008年3月期以来の水準。
世界の粗鋼生産の6割を占める中国が生産抑制策に転じたため、輸出増加により市況が軟化する懸念は小さい。寺畑雅史副社長は会見で「マーケットは下期も安定している。今期いっぱいはこの状況が続く」との見通しを示した。
配当予想は、未定としていた中間配当を1株60円(前期中間配当はゼロ)とする。期末配当については、今後の業績動向を見極めつつ検討するとしている。