■業績動向
(3)中期経営計画
a)中期経営計画策定の背景と概要
レカム (T:3323)は、2017年9月期を初年度とする3ヶ年の中期経営計画を策定、発表した。
中期経営計画を策定するに至った背景として、2013年9月期より実施している構造改革の効果により、業績が再び成長軌道に転じたことに加えて、中国でのLED照明等の販売の海外法人事業、国内での電力小売事業等の拡大により、同社グループの業容、事業規模が大きく変貌を遂げようとしていることが挙げられる。
中期経営計画では、主力事業である情報通信事業(日本国内において行う情報通信機器、LED照明等エコ商材の販売、設置、保守メンテナンス、電力小売事業など)に加えて、BPO事業(日本国内の企業より業務のアウトソーシングを受託し、海外のBPOセンターでの業務処理)と海外法人事業(中国等の海外拠点においてLED照明等のエコ商材の販売)の2つの事業をそれぞれ大きく成長させることで、3つの収益柱を確立し、2019年9月期に売上高100億円、営業利益10億円の達成を目指す。
その基本的な戦略は現在の主力事業である情報通信事業で人材(営業マン)を採用・育成し、BPO事業、海外法人事業の2事業へシフトすることにより、これらの2事業の事業・収益規模を短期間に拡大させるというものだ。
b)事業別の計画と戦略
1)情報通信事業
同社の創業来のコア事業である情報通信事業は、情報機器販売、インターネットセキュリティ機器卸売、eco関連の3つの事業で構成されており、それぞれで売上高の拡大戦略を実施する。
まず、情報通信機器販売は主要商品のデジタル複合機の販売において同社の独自サービスである「RET’S COPY」の新販売プランや現在開発中であるAI(人工知能)OCRサービスを付加したMFP(デジタル複合機)の販売、自社グループ商品である強みを生かしたUTMの試用販売による営業展開、UTMとサーバーのセット販売手法を構築することなどにより、売上高の拡大を図る。
一方、インターネットセキュリティ機器卸売に関しては、代理店の開拓と同社の営業ノウハウを代理店へ水平展開すると同時に、DLP(Data Loss Prevent:情報漏洩防止)サーバー※やWebセキュリティシステムを開発・販売することにより、売上高の拡大を図る。
※機密データを登録したりDLPエージェント(パソコンに常駐するクライアント・ソフト)を監視したりするサーバー・ソフト。
eco関連については、LED照明の販売に一段と注力するほか、電力小売と節水商品、2017年4月から自由化が予定されている都市ガス関連のサービス展開など、ライフライン関連のサービス・商品を拡充することで、1ユーザー当たりの売上高拡大とユーザーの囲い込みを行う。
2) BPO事業
BPO事業では、売上高の拡大については、営業人員を増員し、蓄積してきたノウハウを活用した提案営業によりユーザー数の拡大を図るほか、AIによるOCRサービスと同社のBPOサービスとの業務シナジーを営業で生かすとともに、短納期体制を確立することで、他社との差別化を図る。
一方、収益を向上させるために、2016年9月期に大連、長春で採用したアメーバ経営の手法を全センターへ展開することで生産性の向上を図る。
加えて、AIサービスを活用し、短納期化を図る。
さらに、中小企業に必要不可欠な業務をパッケージ化したBPO商品を開発し、他社との差別化を図るとともに、情報通信事業のユーザーへ商品の販売を行う。
短期間での事業拡大を進めるために、M&Aを積極的に検討・実施する。
3)海外法人事業
海外法人事業では、大連、上海、2016年12月に開設した広州に加えて、中国での新たな拠点の拡大と、中国で蓄積したノウハウを活用しASEAN地域へ進出することにより、営業地域の拡大を推進する。
販売商品については、LED照明等エコ関連商品に加えて、AI insideとの協業でDirect Digital Transfer技術※を搭載した中国国内向けサービスを開発するほか、LED照明のラインナップ強化や日本に比べ普及が遅れている業務用エアコン等のエコ関連商品の販売も行う。
さらに、日本で育成した営業ノウハウを持った営業人員を中国へ赴任させ、中国LED照明等の既存ユーザーへのアップセルを行うことにより、売上高・利益の拡大を図る。
※あらゆる形式(手書きを含む)の書類をデジタル化する技術で、人工知能により学習した高いOCR読み取り精度で業務の効率化・自動化が実現できる。
弊社では中期経営計画の達成可否については、2017年9月期の計画達成は当然のこととして、情報通信事業と肩を並べる収益柱にBPO事業、海外法人事業を成長させることができるかどうかがポイントとなると考える。
そのためには情報通信事業における人員採用・育成が計画どおりに進捗することが最低必要条件である※。
2017年9月期の人員採用・育成と情報通信事業から他の2事業への人員シフトの進捗について注目することが必要だろう。
※2017年4月の新卒入社に関しての内定者数は17名となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正 )
(3)中期経営計画
a)中期経営計画策定の背景と概要
レカム (T:3323)は、2017年9月期を初年度とする3ヶ年の中期経営計画を策定、発表した。
中期経営計画を策定するに至った背景として、2013年9月期より実施している構造改革の効果により、業績が再び成長軌道に転じたことに加えて、中国でのLED照明等の販売の海外法人事業、国内での電力小売事業等の拡大により、同社グループの業容、事業規模が大きく変貌を遂げようとしていることが挙げられる。
中期経営計画では、主力事業である情報通信事業(日本国内において行う情報通信機器、LED照明等エコ商材の販売、設置、保守メンテナンス、電力小売事業など)に加えて、BPO事業(日本国内の企業より業務のアウトソーシングを受託し、海外のBPOセンターでの業務処理)と海外法人事業(中国等の海外拠点においてLED照明等のエコ商材の販売)の2つの事業をそれぞれ大きく成長させることで、3つの収益柱を確立し、2019年9月期に売上高100億円、営業利益10億円の達成を目指す。
その基本的な戦略は現在の主力事業である情報通信事業で人材(営業マン)を採用・育成し、BPO事業、海外法人事業の2事業へシフトすることにより、これらの2事業の事業・収益規模を短期間に拡大させるというものだ。
b)事業別の計画と戦略
1)情報通信事業
同社の創業来のコア事業である情報通信事業は、情報機器販売、インターネットセキュリティ機器卸売、eco関連の3つの事業で構成されており、それぞれで売上高の拡大戦略を実施する。
まず、情報通信機器販売は主要商品のデジタル複合機の販売において同社の独自サービスである「RET’S COPY」の新販売プランや現在開発中であるAI(人工知能)OCRサービスを付加したMFP(デジタル複合機)の販売、自社グループ商品である強みを生かしたUTMの試用販売による営業展開、UTMとサーバーのセット販売手法を構築することなどにより、売上高の拡大を図る。
一方、インターネットセキュリティ機器卸売に関しては、代理店の開拓と同社の営業ノウハウを代理店へ水平展開すると同時に、DLP(Data Loss Prevent:情報漏洩防止)サーバー※やWebセキュリティシステムを開発・販売することにより、売上高の拡大を図る。
※機密データを登録したりDLPエージェント(パソコンに常駐するクライアント・ソフト)を監視したりするサーバー・ソフト。
eco関連については、LED照明の販売に一段と注力するほか、電力小売と節水商品、2017年4月から自由化が予定されている都市ガス関連のサービス展開など、ライフライン関連のサービス・商品を拡充することで、1ユーザー当たりの売上高拡大とユーザーの囲い込みを行う。
2) BPO事業
BPO事業では、売上高の拡大については、営業人員を増員し、蓄積してきたノウハウを活用した提案営業によりユーザー数の拡大を図るほか、AIによるOCRサービスと同社のBPOサービスとの業務シナジーを営業で生かすとともに、短納期体制を確立することで、他社との差別化を図る。
一方、収益を向上させるために、2016年9月期に大連、長春で採用したアメーバ経営の手法を全センターへ展開することで生産性の向上を図る。
加えて、AIサービスを活用し、短納期化を図る。
さらに、中小企業に必要不可欠な業務をパッケージ化したBPO商品を開発し、他社との差別化を図るとともに、情報通信事業のユーザーへ商品の販売を行う。
短期間での事業拡大を進めるために、M&Aを積極的に検討・実施する。
3)海外法人事業
海外法人事業では、大連、上海、2016年12月に開設した広州に加えて、中国での新たな拠点の拡大と、中国で蓄積したノウハウを活用しASEAN地域へ進出することにより、営業地域の拡大を推進する。
販売商品については、LED照明等エコ関連商品に加えて、AI insideとの協業でDirect Digital Transfer技術※を搭載した中国国内向けサービスを開発するほか、LED照明のラインナップ強化や日本に比べ普及が遅れている業務用エアコン等のエコ関連商品の販売も行う。
さらに、日本で育成した営業ノウハウを持った営業人員を中国へ赴任させ、中国LED照明等の既存ユーザーへのアップセルを行うことにより、売上高・利益の拡大を図る。
※あらゆる形式(手書きを含む)の書類をデジタル化する技術で、人工知能により学習した高いOCR読み取り精度で業務の効率化・自動化が実現できる。
弊社では中期経営計画の達成可否については、2017年9月期の計画達成は当然のこととして、情報通信事業と肩を並べる収益柱にBPO事業、海外法人事業を成長させることができるかどうかがポイントとなると考える。
そのためには情報通信事業における人員採用・育成が計画どおりに進捗することが最低必要条件である※。
2017年9月期の人員採用・育成と情報通信事業から他の2事業への人員シフトの進捗について注目することが必要だろう。
※2017年4月の新卒入社に関しての内定者数は17名となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正 )