■要約
ミロク情報サービス (T:9928)は、会計事務所及び中堅・中小企業向けに、財務会計・税務システムを中心とするERP(統合業務管理)システムを開発・販売する業界大手。
中小企業の事業承継支援サービスやFinTech分野へ事業領域を拡大中。
1. 2018年3月期第2四半期累計業績は会社計画を上回る増収増益に
2018年3月期第2四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比6.2%増の13,885百万円、営業利益が同28.4%増の2,685百万円といずれも期初会社計画(売上高13,500百万円、営業利益2,200百万円)を上回り、半期ベースで過去最高業績を更新した。
会計事務所向けシステムの売上がリプレース需要を中心に前年同期比16.3%増と好調に推移したほか、ストック型ビジネスであるサービス収入も契約先数の増加により、同6.8%増と順調に拡大したことが要因だ。
同社が経営指標として重視しているシステム導入契約売上高※の期末受注残も、6.08ヶ月(期首比0.48ヶ月増)と順調に積み上がっており、受注残を意識した経営の浸透が進んでいることも業績好調の要因となっている。
※システム導入契約売上高=ハードウェア、ソフトウェア、ユースウェア売上高の合計
2. 2018年3月期は7期連続で過去最高業績を更新へ
2018年3月期の売上高は前期比4.1%増の27,300百万円、営業利益は同7.2%増の4,400百万円と期初計画を据え置いているが、高水準の受注残を背景に下期も好調な業績が続くと予想される。
第2四半期までの業績進捗率は売上高で50.9%、営業利益で61.0%と過去3年間の平均(売上高50.1%、営業利益50.9%)を上回っている。
子会社で展開するポータルサイト事業(ビジネス情報サイトの「bizocean(ビズオーシャン)」の運営)や中小企業向け事業承継支援サービス等も順調に成長中で、今後の収益貢献が期待される。
3. 第4次中期経営計画では新規事業を育成し、将来の成長へつなげる
第4次中期経営計画の最終年度となる2021年3月期に、売上高500億円、経常利益率30%、ROE30%の経営数値目標を掲げている。
既存のERP事業についてはAI機能を実装した新製品を2019年以降に投入予定で、新規顧客の獲得による顧客基盤の拡大により一段の売上成長を図るほか、金融プラットフォーム「bizsky」を基盤としたFinTech分野のクラウドサービスの拡大、子会社の(株)ビズオーシャンや(株)MJS M&Aパートナーズ(mmap(エムマップ))の事業拡大により目標を達成していく考えだ。
2017年11月15日付で新生銀行 (T:8303)と資本業務提携を行い、同社製品における金融サービス開発及び地域金融機関への展開について連携を進めていくほか、FinTech企業支援のための新たなファンド事業への参画を検討していくことを発表した。
売上高500億円という目標はややハードルが高い印象だが、中期的に高成長を持続していく経営基盤は着々と整いつつあり、今後の高成長が見込まれているFinTech分野での展開が期待される。
■Key Points
・財務会計システムの大手で顧客は会計事務所と中堅・中小企業
・システム導入契約売上高は豊富な受注残を背景に下期も好調を持続する見通し
・2021年3月期に売上高500億円、経常利益150億円を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
ミロク情報サービス (T:9928)は、会計事務所及び中堅・中小企業向けに、財務会計・税務システムを中心とするERP(統合業務管理)システムを開発・販売する業界大手。
中小企業の事業承継支援サービスやFinTech分野へ事業領域を拡大中。
1. 2018年3月期第2四半期累計業績は会社計画を上回る増収増益に
2018年3月期第2四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比6.2%増の13,885百万円、営業利益が同28.4%増の2,685百万円といずれも期初会社計画(売上高13,500百万円、営業利益2,200百万円)を上回り、半期ベースで過去最高業績を更新した。
会計事務所向けシステムの売上がリプレース需要を中心に前年同期比16.3%増と好調に推移したほか、ストック型ビジネスであるサービス収入も契約先数の増加により、同6.8%増と順調に拡大したことが要因だ。
同社が経営指標として重視しているシステム導入契約売上高※の期末受注残も、6.08ヶ月(期首比0.48ヶ月増)と順調に積み上がっており、受注残を意識した経営の浸透が進んでいることも業績好調の要因となっている。
※システム導入契約売上高=ハードウェア、ソフトウェア、ユースウェア売上高の合計
2. 2018年3月期は7期連続で過去最高業績を更新へ
2018年3月期の売上高は前期比4.1%増の27,300百万円、営業利益は同7.2%増の4,400百万円と期初計画を据え置いているが、高水準の受注残を背景に下期も好調な業績が続くと予想される。
第2四半期までの業績進捗率は売上高で50.9%、営業利益で61.0%と過去3年間の平均(売上高50.1%、営業利益50.9%)を上回っている。
子会社で展開するポータルサイト事業(ビジネス情報サイトの「bizocean(ビズオーシャン)」の運営)や中小企業向け事業承継支援サービス等も順調に成長中で、今後の収益貢献が期待される。
3. 第4次中期経営計画では新規事業を育成し、将来の成長へつなげる
第4次中期経営計画の最終年度となる2021年3月期に、売上高500億円、経常利益率30%、ROE30%の経営数値目標を掲げている。
既存のERP事業についてはAI機能を実装した新製品を2019年以降に投入予定で、新規顧客の獲得による顧客基盤の拡大により一段の売上成長を図るほか、金融プラットフォーム「bizsky」を基盤としたFinTech分野のクラウドサービスの拡大、子会社の(株)ビズオーシャンや(株)MJS M&Aパートナーズ(mmap(エムマップ))の事業拡大により目標を達成していく考えだ。
2017年11月15日付で新生銀行 (T:8303)と資本業務提携を行い、同社製品における金融サービス開発及び地域金融機関への展開について連携を進めていくほか、FinTech企業支援のための新たなファンド事業への参画を検討していくことを発表した。
売上高500億円という目標はややハードルが高い印象だが、中期的に高成長を持続していく経営基盤は着々と整いつつあり、今後の高成長が見込まれているFinTech分野での展開が期待される。
■Key Points
・財務会計システムの大手で顧客は会計事務所と中堅・中小企業
・システム導入契約売上高は豊富な受注残を背景に下期も好調を持続する見通し
・2021年3月期に売上高500億円、経常利益150億円を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)