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クオール Research Memo(7):2019年3月期は増収減益の見通しも、M&A等による成長戦略を着実に進める

発行済 2018-06-27 17:04
更新済 2018-06-27 17:20
クオール Research Memo(7):2019年3月期は増収減益の見通しも、M&A等による成長戦略を着実に進める
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■今後の見通し

2019年3月期は、調剤報酬改定の影響で増収減益の見通し。
M&Aによる店舗獲得等の成長戦略を着実に進め、来期以降の収益回復を目指す。


●2019年3月期の業績見通し
2019年3月期についてクオール (T:3034)は、売上高152,000百万円(前期比4.5%増)、営業利益8,000百万円(同12.0%減)、経常利益8,000百万円(同14.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益4,500百万円(同9.7%減)と増収減益を予想している。


保険薬局事業について同社は、売上高140,600百万円(前期比4.1%増)、営業利益7,600百万円(同11.9%減)を予想している。
同社は2019年3月期の店舗増(M&A含む)を100店と計画しており、新規店舗の増収効果によって、2018年改定による調剤技術料の減収を補い、増収を図る計画だ。
店舗増100店の内訳についてはクオール薬局の自社出店20店、新業態店舗の出店10店、M&Aによる獲得70店となっている。


利益が減益となる主要因は調剤報酬改定の影響だ。
売上高への影響は新規出店効果でカバーできる見込みだが、利益については、新規出店の初年度は初期費用をカバーできず損失となることも珍しいことではない。
M&Aで獲得した店舗も初年度は様々な費用が発生して収益性が低下すると想定される。
結果的に改定影響が残り、減益になると考えられる。


2018年改定の影響を、調剤基本料、後発医薬品調剤体制加算、基準調剤加算廃止と地域支援体制加算新設の3項目について試算すると、同社の全店舗の平均点数は3項目合計で19.1点の低下になるとみられる。
処方せん枚数が2018年3月期実績(13,084千枚)から5%増となると仮定すると、改定前後の点数差がそのまま1年間継続すると仮定すれば、19.1点×(13,084千枚×1.05)×10円=2,623百万円の減収要因となる。
これはそのまま利益インパクトになると考えられる。


一方、100店の店舗増が実現した場合、1店当たりの売上高を同社の平均(2018年3月期は179百万円)で計算すると、売上高は17,900百万円となる(通期寄与ベース)。
実際には期中のどこかでの店舗増となり、そのタイミング次第で業績寄与は大きく変わってくる。
仮に年央とするならば、2019年3月期の増収寄与は半分の8,950百万円となる。
上述の改定影響による減収効果との差し引きは6,327百万円となり、4.1%(5,491百万円)の増収を見込む会社予想と大きな齟齬がない形となる。


実際には、後発医薬品の使用促進等の施策で加算を獲得、平均点数の回復を計画している。
反対に、新規出店(M&A獲得分を含む)の店舗の売上高は同社の平均よりも低いと考えられるほか、M&Aによる獲得のタイミングも年度の後半になるケースが多いと考えられる。
こうした細部での入り繰りはあっても、店舗増が計画どおりに進捗すれば、前期比約55億円の増収は十分達成可能だと弊社では見ている。


BPO受託事業の業績は、売上高12,000百万円(前期比11.7%増)、営業利益1,700百万円(同33.5%増)を予想している。
前期はCSO事業や派遣紹介事業は順調に推移したものの、CRO事業が事業再編の影響等で受注・売上げを落とした。
また出版関連事業も不振だった。
今期はCRO事業の回復と、CSO事業・派遣紹介事業の収益成長とが重なって、増収増益予想に至ったと推測される。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

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