■ジェイ・エス・ビー (T:3480)の業績動向
1.2018年10月期第2四半期の業績概要
2018年10月期第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、米国における政策金利の引き上げから今後の金利上昇を懸念する向きもあり、国内外の金融市場が影響を受けたものの、好調な企業業績、雇用・所得環境の安定、株価上昇などを背景として緩やかな回復基調で推移した。
ただ、米中貿易摩擦や米国政策運営の不透明感なども影響し、先行きについては依然として予断を許さない状況が継続するものと考えられる。
このような環境のなかで、同社グループでは、賃貸入居需要の集中する最繁忙期を迎え、これまでの各種取り組みの一定の成果もあり、業績は堅調に推移した。
2020年を最終年度とする中期経営計画の達成に向けた実践初年度として、順調なスタートがきれたと言えるだろう。
以上から、連結売上高は20,832百万円(前年同期比6.8%増)、経常利益は2,764百万円(同8.0%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は1,755百万円(同16.3%増)となった。
2017年12月13日の前期決算発表時の予想に比べると、売上高で0.8%、各段階の利益では6~12%以上も上回る好決算であった。
主力の不動産賃貸管理事業が堅調であったことに加えて、高齢者住宅事業でも利益が倍増した。
セグメント別に動向を見ると、不動産賃貸管理事業では、物件管理戸数の増加や入居率が高水準に推移したことに伴い、学生マンションの家賃収入をはじめ、各種不動産賃貸関連サービス収入はおおむね計画どおりに推移した。
また、Web広告やテレビCMの放映等、広告宣伝活動も積極的に行い、同社グループの運営する『UniLife』ブランドの浸透、認知度の向上に努めてきた。
その結果、売上高19,691百万円(前年同期比7.3%増)、セグメント利益3,362百万円(同6.0%増)となった。
高齢者住宅事業では、前期において採算性の低い高齢者向け施設を外部への事業譲渡により整理したことに加え、既存施設においては、介護サービス事業の拡充、コスト面や運営体制の見直し強化などに努めてきた。
黒字化を背景に、入居率の向上や介護サービスの拡充への取り組み強化のもと、高齢者施設の入居率も高水準を維持した。
加えて、収益基盤の拡張を目的とした新たな事業拠点の展開準備にも注力した。
その結果、売上高901百万円(前年同期比13.2%増)、またセグメント利益104百万円(同107.6%増)と利益が倍増した。
その他の事業では、学生向けの企業説明会や就職セミナー情報の提供を通じた各種学生支援サービスの提供と、外国人留学生向けの日本語学校の運営による教育事業等を進めた。
当事業区分については、同社グループの主力事業に対する後方支援的な位置付けを担うことから、前年対比では低調なものの、潜在的な効果として主力事業の事業収益へ寄与していると考えられる。
同事業の売上高は240百万円(前年同期比33.3%減)、セグメント利益は7百万円(同27.4%減)となった。
収益性指標は業界平均を上回る
2.財務状況と経営指標
2018年10月期第2四半期末の資産合計は30,425百万円(前期末比3,203百万円増)となった。
流動資産10,838百万円(同2,156百万円増)は、主として現金及び預金が1,244百万円増加したことによる。
固定資産19,587百万円(同1,047百万円増)は、主に有形固定資産が721百万円増加したことによる。
他方、流動負債8,640百万円(同1,745百万円増)は、主として未払法人税等が698百万円、前受収益が616百万円増加したことによる。
固定負債10,902百万円(同155百万円減)は、主として長期借入金が198百万円減少したことによる。
純資産10,882百万円(同1,614百万円増)は、主として利益剰余金が1,591百万円増加したことによるものである。
以上の結果、自己資本比率は前期の34.0%から35.8%に上昇し、D/Eレシオも1.1倍から0.9倍に低下するなど、財務の安全性が高まった。
自己資本比率は、東証1部・2部、マザーズ、JASDAQにおける2016年度不動産業平均の31.0%を上回っている。
また、2017年10月期のROA(総資産経常利益率)は10.4%、ROE(自己資本当期純益率)も19.7%と、2016年度不動産業平均の4.5%、9.4%を大きく上回り、同社の収益性は極めて高いと評価できる。
2018年10月期第2四半期末の現金及び現金同等物の残高は、前期末比1,244百万円増加し、8,579百万円となった。
営業活動による資金の増加2,827百万円(前年同期は2,946百万円の増加)は、主に税金等調整前四半期純利益2,926百万円、前受収益の増加616百万円及び法人税等の支払額717百万円などによるものである。
投資活動により使用した資金1,072百万円(同1,281百万円の使用)は、有形固定資産の取得による支出1,140百万円、有形固定資産の売却による収入306百万円などによるものである。
財務活動により使用した資金510百万円(同571百万円の増加)は、主に長期借入金の返済による支出691百万円、配当金の支払額163百万円及び長期借入れによる収入450百万円などによるものである。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
1.2018年10月期第2四半期の業績概要
2018年10月期第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、米国における政策金利の引き上げから今後の金利上昇を懸念する向きもあり、国内外の金融市場が影響を受けたものの、好調な企業業績、雇用・所得環境の安定、株価上昇などを背景として緩やかな回復基調で推移した。
ただ、米中貿易摩擦や米国政策運営の不透明感なども影響し、先行きについては依然として予断を許さない状況が継続するものと考えられる。
このような環境のなかで、同社グループでは、賃貸入居需要の集中する最繁忙期を迎え、これまでの各種取り組みの一定の成果もあり、業績は堅調に推移した。
2020年を最終年度とする中期経営計画の達成に向けた実践初年度として、順調なスタートがきれたと言えるだろう。
以上から、連結売上高は20,832百万円(前年同期比6.8%増)、経常利益は2,764百万円(同8.0%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は1,755百万円(同16.3%増)となった。
2017年12月13日の前期決算発表時の予想に比べると、売上高で0.8%、各段階の利益では6~12%以上も上回る好決算であった。
主力の不動産賃貸管理事業が堅調であったことに加えて、高齢者住宅事業でも利益が倍増した。
セグメント別に動向を見ると、不動産賃貸管理事業では、物件管理戸数の増加や入居率が高水準に推移したことに伴い、学生マンションの家賃収入をはじめ、各種不動産賃貸関連サービス収入はおおむね計画どおりに推移した。
また、Web広告やテレビCMの放映等、広告宣伝活動も積極的に行い、同社グループの運営する『UniLife』ブランドの浸透、認知度の向上に努めてきた。
その結果、売上高19,691百万円(前年同期比7.3%増)、セグメント利益3,362百万円(同6.0%増)となった。
高齢者住宅事業では、前期において採算性の低い高齢者向け施設を外部への事業譲渡により整理したことに加え、既存施設においては、介護サービス事業の拡充、コスト面や運営体制の見直し強化などに努めてきた。
黒字化を背景に、入居率の向上や介護サービスの拡充への取り組み強化のもと、高齢者施設の入居率も高水準を維持した。
加えて、収益基盤の拡張を目的とした新たな事業拠点の展開準備にも注力した。
その結果、売上高901百万円(前年同期比13.2%増)、またセグメント利益104百万円(同107.6%増)と利益が倍増した。
その他の事業では、学生向けの企業説明会や就職セミナー情報の提供を通じた各種学生支援サービスの提供と、外国人留学生向けの日本語学校の運営による教育事業等を進めた。
当事業区分については、同社グループの主力事業に対する後方支援的な位置付けを担うことから、前年対比では低調なものの、潜在的な効果として主力事業の事業収益へ寄与していると考えられる。
同事業の売上高は240百万円(前年同期比33.3%減)、セグメント利益は7百万円(同27.4%減)となった。
収益性指標は業界平均を上回る
2.財務状況と経営指標
2018年10月期第2四半期末の資産合計は30,425百万円(前期末比3,203百万円増)となった。
流動資産10,838百万円(同2,156百万円増)は、主として現金及び預金が1,244百万円増加したことによる。
固定資産19,587百万円(同1,047百万円増)は、主に有形固定資産が721百万円増加したことによる。
他方、流動負債8,640百万円(同1,745百万円増)は、主として未払法人税等が698百万円、前受収益が616百万円増加したことによる。
固定負債10,902百万円(同155百万円減)は、主として長期借入金が198百万円減少したことによる。
純資産10,882百万円(同1,614百万円増)は、主として利益剰余金が1,591百万円増加したことによるものである。
以上の結果、自己資本比率は前期の34.0%から35.8%に上昇し、D/Eレシオも1.1倍から0.9倍に低下するなど、財務の安全性が高まった。
自己資本比率は、東証1部・2部、マザーズ、JASDAQにおける2016年度不動産業平均の31.0%を上回っている。
また、2017年10月期のROA(総資産経常利益率)は10.4%、ROE(自己資本当期純益率)も19.7%と、2016年度不動産業平均の4.5%、9.4%を大きく上回り、同社の収益性は極めて高いと評価できる。
2018年10月期第2四半期末の現金及び現金同等物の残高は、前期末比1,244百万円増加し、8,579百万円となった。
営業活動による資金の増加2,827百万円(前年同期は2,946百万円の増加)は、主に税金等調整前四半期純利益2,926百万円、前受収益の増加616百万円及び法人税等の支払額717百万円などによるものである。
投資活動により使用した資金1,072百万円(同1,281百万円の使用)は、有形固定資産の取得による支出1,140百万円、有形固定資産の売却による収入306百万円などによるものである。
財務活動により使用した資金510百万円(同571百万円の増加)は、主に長期借入金の返済による支出691百万円、配当金の支払額163百万円及び長期借入れによる収入450百万円などによるものである。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)