世界経済低迷への懸念によりテクノロジーセクター株が下落し、シティグループが金融株を押し上げたのを相殺していた。結果、米株式は日中最安値からは回復したものの、現地時間14日の終値は低くなった。
ダウ平均株価は0.36%安だったが、日中最安値の23765.24からは回復した。S&P 500は0.59%安、ナスダック総合指数は0.94%安であった。
シティグループ(NYSE:C)は四半期決算報告書において、収益が予想を下回ったが利益が期待を上回っており、同社株は4%上昇した。
Briefing.comによると、投資家は「同社決算報告の内容を考慮すると、売られすぎ」と考えていて、この決算報告は買いを抑制するものではなかった。
シティグループ株の上昇によって他銀行株も上昇した。JPモルガン(NYSE:JPM)とウェルズ・ファーゴ(NYSE:WFC)は共に15日に四半期決算報告書を公表する予定であり、両社の株は上昇した。
金融セクター株は1%上昇したが、中国の貿易統計で輸出入が共に減少したことを受けて世界経済低迷の懸念が広がったため、テクノロジーセクター株は下落した。これにより、株式市場全体は下方圧力を受けた。
FAANG株の中では、ネットフリックス (NASDAQ:NFLX)とアルファベット(NASDAQ:GOOG)が1%安だった。中国で最新型iPhoneの価格を下げることや、2019年にサービス拡大をするために大幅な新コンテンツの取得をするとしていることによって、アップル(NASDAQ:AAPL)は1.5%安であった。
ウェドブッシュ・セキュリティーズは顧客向けの文書にて、「アップルは今年サービスを拡大するために大幅な新コンテンツの獲得を検討すると共に、中国でiPhone XRの価格を積極的に下げる必要がある」と述べた。
アップル社へ電源管理用集積回路を供給しているダイアログ・セミコンダクターは、収益が期待の最低水準であったことを報告し、iPhoneの需要が減少していることを示唆した。アップル株はこれによっても圧力を受けた。
世界第2位の原油消費国である中国の景気後退への懸念が原油需要減少への不安感を煽り、米原油価格は2.1%安となった。これにより、エネルギーセクター株が上昇するのは厳しくなった。
パシフィック・ガス・アンド・エレクトリック・カンパニー(NYSE:PCG)は、倒産を申し立て、最高経営責任者（CEO）が辞任すると公表した後、52%の下落を見せた。
米株式市場は圧力を受けて週のスタートを切ったが、アナリストは、米経済は国際経済よりは良い状況にあり、この不調をに乗り切るために成長する余地がまだ米経済にはあるとしている。
ゴールドマン・サックス(NYSE:GS)は「我々は（米国株式に対して）投資判断をまだOverweight(強気)としている。米経済は他国の発展に影響を受けるが、米国は事実、将来の不況を乗り越えるために他の国よりも良い状況にある。国内に不安要素があっても回復する余裕も十分にあるであろう」と述べた。
今日のS&P 500での上昇率/下落率ランキング：
シティグループ(NYSE:C)、グッドイヤー・タイヤ・アンド・ラバー・カンパニー(NASDAQ:GT)、ステートストリートコーポレーション(NYSE:STT)はS&P 500の中で最も上昇した銘柄である。
パシフィック・ガス・アンド・エレクトリック・カンパニー(NYSE:PCG)、ニューモント・マイニング・コーポレーション(NYSE:NEM)、ウエスタンデジタル コーポレーション(NASDAQ:WDC)はS&P500の中で最も下落した銘柄である。