火曜日の米国株式市場は下落となった。しかし、米大統領経済諮問委員会のローレンス・クドロー委員長が米中貿易協議の中止報道に関して否定したことで、取引終了直前に小幅反発となった。
ダウ平均株価の終値は前日比1.22%安の24,404.48、日中最安値は24,244.31であった。一方S&P500指数は1.42%安、ナスダック総合指数は1.91%安となった。
知的財産権や技術移転強要に関する問題で、米中間での意見が対立しているとの理由で米政府は今週の貿易協議を中止すると、関係筋からの取材でフィナンシャル・タイムズ紙は報じた。
クドロー氏は、米中両政府は休戦合意の終了日である3月1日までに貿易交渉で合意に辿り着くことができ、市場からの懸念は払拭されることだろうと、貿易協議中止に関する報道を否定した。
米中両政府は、両国間での輸入製品に対して複数回の追加関税を発動してきた。
米政府は2500億ドル相当の中国製品(対中輸入総額の約半分)に対して関税を課した中、中国政府は1100億ドル相当の米国製品に対して報復関税を発動した。
アメリカの工具メーカーのスタンレー・ブラック・アンド・デッカー(Stanley Black & Decker) (NYSE:SWK)といった、貿易戦争による影響を受けやすいセクターは大きく低迷しており、同社株は最安値から回復したものの依然として安値圏で取引されている。
同社が第4四半期の予想売上高を36億3000万ドル、予想EPSを2.11ドルと、コンセンサス予想に対して軟調な見通しを発表した後、同社株は15.5%の下落となった。アナリストコンセンサスは売上高36億3000万ドル、EPS2.10ドルであった。
貿易戦争以外の面では、ネットフリックス(Netflix)株の売りが発端となったFANG株の売りによって、テック株も軟調となった。
ネットフリックス(Netflix) (NASDAQ:NFLX)は、第4四半期決算において会員数は伸びたものの売上高が伸び悩み、先週からの下げ幅を拡大し、前日比4%安となった。
フェイスブック(Facebook) (NASDAQ:FB)、アップル(Apple) (NASDAQ:AAPL)、アルファベット(Alphabet) (NASDAQ:GOOGL)も同様に終値は前日を下回った。
IMFが2019年の世界経済の成長見通しを引き下げ、昨日の米国市場は売りが先行する形で取引開始された。
IMFのクリスティーヌ・ラガルド専務理事は、2019年の世界経済の成長見通しを3.7%から3.5%へと引き下げを発表した。
12月の中古住宅販売件数は過去数年間の中で最低水準にまで減少しており、経済成長を下支えしているデータは少ない。
住宅建設業株は同報道を受けて下落し、KB Home (NYSE:KBH)の株価は前日比4%安となった。
eBay (NASDAQ:EBAY)はElliott Managementといった、アクティビストファンド2社が同社株の保有を発表を行い、株価は前日比6%高へと反発した。同ファンド2社はeBayに対して解散と経営層の刷新を要求している。
S&P500指数構成銘柄、本日の値上がり/値下がり株:
eBay (NASDAQ:EBAY)、Cboe Global Markets (NYSE:CBOE)、Fifth Third Bancorp (NASDAQ:FITB)は、本日のS&P500指数構成銘柄の取引において、高値で取引された。
一方で、Arconic (NYSE:ARNC)、Stanley Black & Decker (NYSE:SWK)、Altria Group(NYSE:MO)は安値での取引であった。