昨日ニューヨーク時間のダウ平均株価は下落となった。キャタピラー( Caterpillar )やエヌビディア(Nvidia)の決算不振から、世界経済への懸念が高まったことで売りが優勢となった。
ダウ平均株価が前日比0.84%安、S&P500指数が0.78%安、ナスダック総合指数が1.11%安となった。
重機メーカーのキャタピラー(Caterpillar) (NYSE:CAT)は昨日第4四半期決算を発表し、市場予想を下回る結果を受け、株価は急落することとなった。また同社は、通期の業績予想もコンセンサス予想を下回る見通しを発表している。株価は前日比9%安となり、ダウ平均もこれを受けて70ポイント下落した。
同社の決算不振や業績悪化の見通しが引き金となり、ボーイング(Boeing) (NYSE:BA)やディア・アンド・カンパニー(Deere) (NYSE:DE)、カミンズ(Cummins) (NYSE:CMI)といった類似企業への懸念も高まり、株価は1%以上値を下げた。
半導体メーカーのエヌビディア(Nvidia) (NASDAQ:NVDA)も同様に、第4四半期決算の結果を受けて、2019年通期の業績予想はコンセンサスを下回ると発表している。同社は中国経済の悪化によって、ゲームやデータセンター事業に影響が出ると述べる。同社株は前日比14%安となった。
ゲーム、データセンター事業の悪化と共に、同社の粗利率(売上総利益率)の悪化も業績の下方圧力となっている。
RBC(ロイヤル・バンク・オブ・カナダ)は、「ゲーム事業の不振が続く中では、データセンター事業の粗利率も軟調な伸びが続くとみられる」「これを考慮すると、今後3-4ヶ月間は不振が続くだろう」と述べている。
軟調な決算結果が2社続くこととなったが、今週はアマゾン(Amazon.com) (NASDAQ:AMZN)、アップル(Apple) (NASDAQ:AAPL)フェイスブック(Facebook) (NASDAQ:FB)の決算を控えている。
その他に、中国の工業生産指数の悪化によって世界経済への懸念が高まり、原油需要の減少が起こる可能性が示唆されている。これを受けてエネルギー株は株価を落とし、株式市場全体の重しとなっている。
中国経済の減速は数ヶ月間に及ぶ米国との貿易戦争の影響を受けて悪化している。今週末(30、31日)には米中の高官協議が予定されているが、投資家は貿易協定合意への期待感を持っているのだ。
米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表が今回の協議を指揮する。
ディフェンシブ銘柄である生活必需品セクター株が買われたことから、市場ではリスクオフの姿勢が見られる。同セクター株であるエスティ・ローダー( Estee Lauder ) (NYSE:EL)やアルトリア(Altria) (NYSE:MO)の株価は値を上げていた。
その他、サウジアラビアが保有しているテスラ(Tesla) (NASDAQ:TSLA)株の保有割合を減らすとの報道を受けて、同社株は大きく下落した。
昨日のS&P500指数の値上がり/値下がり銘柄:
アメリカン航空(American Airlines) (NASDAQ:AAL)、エスティ・ローダー(Estee Lauder) (NYSE:EL)、アルトリア(Altria) (NYSE:MO)の順に同指数での値上がり幅が大きかった。
一方値下がり銘柄は、エヌビディア(Nvidia) (NASDAQ:NVDA)、キャタピラー(Caterpillar) (NYSE:CAT)、フリーポート・マクモラン(Freeport-McMoran) (NYSE:FCX)の順に値下がり幅が大きかった。