29日の米国株式市場では、3Mが取引開始直後の売りから一転して回復したものの、テクノロジー銘柄が大きく売られた。
ダウ平均株価は前日比0.21%高、S&P500指数は0.15%安、ナスダック総合指数は0.81%安となった。
28日に発表されたエヌビディア(Nvidia)の決算失望を受け、半導体株は大きく下落した。その流れを引き継ぎ、テクノロジー株も値を下げた。
半導体銘柄の決算直後の株価は、エヌビディア(Nvidia) (NASDAQ:NVDA)が4.6%安、アプライド・マテリアルズ(Applied Materials) (NASDAQ:AMAT)が1.29%安、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(Advanced Micro Devices) (NASDAQ:AMD)が4.6%安となっていたが、その後は株価を5%引き戻している。
株式市場全体への影響は限定的であった。
3M (NYSE:MMM)は通期のEPS(一株当たり利益)に低い見通しを立てていたが、第4四半期決算が予想を上回り、発表後に2%高となった。
同社は2019年通期のEPSの見通しを10.45-10.90ドルと、以前の見通し(10.60-11.05ドル)から引き下げた。
独立系のリサーチ企業であるCFRA社は、「3Mは我々が有望だと見込んでいる事業地域、事業ユニットにおける増益が見られる」と述べている。
ワールプール(Whirlpool)株が上昇した一方、ハーレーダビッドソン(Harley-Davidson)は下落し、一般消費財セクター全体では0.8%安となった。
ハーレーダビッドソン(Harley-Davidson) (NYSE:HOG)は第4四半期決算を発表し、コンセンサスEPSの0.28ドルを下回る0.17ドルとなった。また、売上高も9億5600万ドルと予想を下回っていた。
ワールプール(Whirlpool) (NYSE:WHR)は第4四半期決算の予想を上回る結果となり、株価は9.6%高となった。しかし、中南米、ヨーロッパ、中東、アフリカにおける売上の減少によって、売上高は予想を下回っていた。
米司法省が中国のファーウェイ(Huawei)幹部を起訴したことや、2回目となる米中貿易協議を前にして、株式市場では投資家心理が悪化している。
スティーブン・ムニューシン財務長官は、今回の起訴は貿易協議とは何ら関係ないと述べ、市場での警戒感を抑えようとしていた。
同氏はフォックス・ビジネス・ネットワークの取材に対し、「起訴は貿易協議とは別の問題であり、対話は別々に行われる」と発言した。同氏は続けて、「それゆえ、貿易協議とは全く関係のない話だ。技術移転強要の問題は貿易協議に含まれるが、米国法やイラン制裁の違反に関する問題は別で行われている」と述べている。
一方でエネルギー株に関しては、米国がベネズエラの国営企業PDVSAへの制裁を発表を受け、原油価格が上昇したことで、株価は上昇していた。世界中で原油の供給過剰が発生し、価格が頭打ちになると警戒される中で、ベネズエラは制裁によって原油輸出が抑圧される可能性がある。
1月の米消費者信頼感指数が18ヶ月間の最低水準となる他、政府機関の一部閉鎖や市場でのボラティリティの高まりが起こるなど、好材料が少なくなっている。
昨日のS&P500指数の値上がり/値下がり銘柄:
値上がり銘柄は順に、ゼロックス(Xerox) (NYSE:XRX)、コーニング(Corning) (NYSE:GLW)、ワールプール(Whirlpool) (NYSE:WHR)となった。
値下がり銘柄は順に、アラガン(Allergan) (NYSE:AGN)、ハーレーダビッドソン(Harley-Davidson) (NYSE:HOG)、エヌビディア(Nvidia) (NASDAQ:NVDA)となった。