■会社概要1. 沿革イデアインターナショナル (T:3140)は1995年に時計(置時計、掛時計)を中心にした商品の企画開発・販売を目的に設立された。
その後インテリア雑貨を中心に取扱品目を増やして業容を拡大し、2005年にはオーガニック化粧品の分野に進出した。
同社は製品分野を拡大すると同時にオリジナルブランドも次々と立ち上げ、さらには店舗展開も積極的に進めた。
現在の体制に至る以前の業績のピークは2008年6月期で、経常利益268百万円(単独決算)を記録した。
しかし2009年6月期には業績が急変し、一転、366百万円の経常損失を計上するに至った。
同社はその後も空間プロデュース事業への進出やトラベルグッズのセレクトショップの出店、さらにはPC周辺機器大手メーカーのエレコム (T:6750)との資本業務提携などを行い、業況回復を図ったが、安定と成長を取り戻すには至らなかった。
その後、エレコムとの提携を解消し、2013年9月に更なる成長可能性を求めて健康コーポレーション(現RIZAPグループ)の傘下に入った。
現在では同グループ内でライフスタイル事業セグメントの中核企業となっている。
業績的には2017年6月期に営業利益ベースで過去最高を更新し、さらに2018年6月期も2期連続で過去最高を更新した。
2018年4月には女性用バッグの企画・製造・販売を手掛けるシカダを完全子会社化した。
シカタが有する知見やノウハウウを生かして生産・流通における効率化のほか、企画、デザイン力を生かして商品ラインアップの拡充による売上増加に取り組む方針だ。
イデア本体のインテリア雑貨、トラベル用品、オーガニックの3領域に、子会社シカタの女性用バッグ事業が加わる2. 事業の概要(1) 事業セグメントの状況同社の事業セグメントは、住関連ライフスタイル商品製造卸売事業(以下、「卸売事業」)と住関連ライフスタイル商品小売事業(以下、「小売事業」)の2事業セグメント体制となっている。
2018年4月にシカタを子会社した後も2セグメント体制には変更はない。
この事業セグメントは、言うまでもなく、販路に基づいた区分けだ。
卸売事業は、自社の企画による自社商品及び他社からの仕入商品を全国のインテリア関連のセレクトショップ等に卸売を行う事業だ。
同社の自社商品に関しては、相手先ブランドによる商品供給(OEM事業)も行っている。
また、子会社のシカタは女性用バッグのOEMで国内トップクラスの実績を有している。
一方小売事業は、自社企画の自社商品及び他社からの仕入商品を、直営店舗もしくはECサイト(自社サイト及び各ECモールにおける支店)で販売する事業だ。
店舗については、イデア本体は各ブランド合計で41店舗を展開している。
一方シカタは、自社店舗は有しないが全国のデパート35店舗のハンドバッグ売場で自社ブランド商品を販売している(いずれも2018年12月末時点)。
同社及びシカタはファブレス企業であり、商品の企画・開発までは自社で行うが、製造自体は中国や東南アジア、イタリアなどの海外を含む外部企業に委託している。
(2) ブランド展開の状況同社ではかつては商品ジャンルを問わず様々なブランドで商品を展開していたが、2013年に健康コーポレーション(現RIZAPグループ)の傘下に入ってからは、事業構造改革の一環として乱立していた商品ブランドの整理統合を進めた。
また、取扱品目や社品ジャンルにおいても整理統合を進めた。
その結果、現状では、インテリア雑貨、トラベル用品、オーガニック化粧品という3領域での展開となっている。
主なインテリア雑貨のブランドは「BRUNO(ブルーノ)」だ。
同社の商品ラインアップの中で、「キッチン雑貨・キッチン家電」というジャンルが大きく伸びているが、これも「BRUNO」ブランドでの展開であり、広義のインテリア雑貨に含まれる。
店舗ブランドは「IDEA SEVENTH SENSE」を軸に展開してきたが、ここにきて「BRUNO」の認知度・知名度が向上したことや商品ラインアップの充実に伴い、「BRUNO」ブランドの店舗展開も国内外で拡大しつつある。
トラベル商品の自社商品は「MILESTO(ミレスト)」ブランドで展開しており、店舗ブランドは「TRAVEL SHOP MILESTO」と小型業態の「TRAVEL STYLE by MILESTO」の2つを展開している。
オーガニック化粧品については商品、店舗共に「Terracuore(テラクオーレ)」ブランドで展開している。
一方子会社のシカタは、女性用バッグについて、自社ブランドの「Y’saccs(イザック)」とフランス企業からライセンスインした「LA BAGAGERIE(ラ・バガジェリー)」の2つを展開している。
同社はこれら2ブランドの商品を店頭(基本的にデパートのハンドバッグ売り場)及びECで販売している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)