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Jオイル Research Memo(8):原料相場安値推移で大幅増益

発行済 2019-04-02 15:38
更新済 2019-04-02 15:41
© Reuters.  Jオイル Research Memo(8):原料相場安値推移で大幅増益

© Reuters. Jオイル Research Memo(8):原料相場安値推移で大幅増益

■業績動向1. 2019年3月期第3四半期の業績J-オイルミルズ (T:2613)の2019年3月期第3四半期の業績は、売上高144,131百万円(前年同四半期比2.4%増)、営業利益5,480百万円(同80.2%増)、経常利益5,821百万円(同71.0%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益4,536百万円(同72.4%増)となった。

人手不足を背景とした運賃上昇による物流費の増加などコストプッシュはあったが、油脂事業が好調に推移したことから大幅増益となった。

なお、旧住吉工場資産の譲渡に伴う固定資産売却益など特別利益565百万円、台風21号の影響による災害による損失など特別損失452百万円、将来減算一時差異に関わる繰延税金資産の取り崩しが発生した。

前年同四半期比では、投資有価証券売却益がなくなる一方、減損損失も計上しなかった。

セグメント別の業績は、油脂事業が売上高122,309百万円(前年同四半期比2.6%増)、セグメント利益4,711百万円(同158.0%増)、油脂加工品事業が売上高10,081百万円(同2.2%減)、セグメント利益247百万円(同46.3%減)、食品・ファイン事業が売上高10,661百万円(同6.5%増)、セグメント利益431百万円(同26.6%減)、その他の事業が売上高1,079百万円(同14.8%減)、セグメント利益89百万円(同46.7%減)となった。

油脂事業において、TVCMと営業活動によりオリーブオイルが好調だったものの、価格維持に努めたキャノーラ油が数量を減少させたため、家庭用油脂の売上高は前年同四半期を下回った。

一方、汎用油脂製品の販売価格維持に加え、「長調得徳®」や「J-OILPRO®」など高付加価値品の拡販に注力したため、業務用油脂の売上高は堅調に推移した。

油糧部門は、大豆ミールのシカゴ相場が高値で推移したため、販売価格は上昇したが販売数量が減少した。

菜種ミールは国内需給を背景に販売価格は前年同期を上回ったが、販売数量は減少した。

結果、油糧部門は増収となった。

利益面では、世界的な景気変動により為替相場がやや不安定な動きとなったものの、国際情勢の落ち着きや産地国の良好な生育状況から、主原料である大豆相場と菜種相場が6月頃から安値で推移したため、大幅増益となった。

油脂加工品事業において、マーガリン部門では「ラーマ®」の拡販施策により家庭用売上高が堅調に推移したが、業務用は「グランマスター®プリメランパレッツ」や「メープルパレッツ」など高付加価値品の提案を強化したもののわずかに減収となった。

粉末油脂部門では生産性の向上や新素材の開発を進めたが減収となった。

利益面では、原材料価格の上昇もあって減益となった。

食品・ファイン事業において、食品用・工業用コーンスターチの拡販に取り組んだことからスターチ部門は増収、ファインマテリアルの輸出が回復しファイン部門は堅調、グルテンフリーの訴求により米国で需要が増加し販売エリアが拡大したためSOYシートは大幅増収、新設住宅着工戸数がわずかに下回ったものの価格改定の実施と販売数量の維持に努めた結果ケミカル部門は増収となった。

利益面では、一部商品の価格改定が遅れたことから減益となった。

第五期中期経営計画の進捗としては順調と言える2. 2019年3月期業績見通し2019年3月期の業績見通しについて、同社は売上高192,000百万円(前期比4.7%増)、営業利益5,500百万円(同37.3%増)、経常利益5,800百万円(12.9%増)、親会社に帰属する当期純利益4300百万円(同4.2%増)を見込んでいる。

第3四半期までの業績はセグメント間でまちまちな動きとなったが、全体では想定以上の進捗であり、業績予想は期初のままである。

第4四半期については、搾油事業の環境に大きな変動はないと想定する一方、価格重視の販売戦略と高付加価値品の拡大、油脂以外の事業の採算改善努力と来期のリカバリーの準備を進める方針である。

営業利益に関しては、中期成長を見据えて、高付加価値品などへの積極的なマーケティング投資やシステム開発投資、物流費(値上げなど単価の上昇)の増加が見込まれるため、構造改革も継続して推進する考えである。

第五期中期経営計画の達成へ向けて、原料相場や為替相場への対応力が身につき始め、価格改定も進んできた。

油脂事業で成長を続けるには、成長戦略の推進と構造改革の深掘りの両方が重要である。

油脂事業以外でやや課題が残るが、主力の油脂の好調を背景に、現状、第五期中期経営計画は順調に進捗していると言ってよいと考える。

なお、同社は、2019年3月18日付で2019 年 6 月3 日出荷分より、家庭用油脂製品、業務用油脂製品の価格を改定することを発表している。

今回の値上げの浸透が、来期以降の業績のカギを握るであろうことは言うまでもない。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

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