8日、ボーイング株の急落に伴い、ダウ平均株価も下落した。
ダウ平均株価は0.32%安、S&P 500は0.10%の小幅高、ナスダック総合指数は0.19%高となった。
バンク・オブ・アメリカはボーイング(NYSE:BA)の格付けを「買い」から「中立」に引き下げた。加えて、ボーイング737MAX機が同社の利益率とキャッシュフローを悪化させるだろうとの予測のもと、目標株価を480ドルから420ドルに下げた。この結果、ボーイング株は4.4%を超える急落となった。ボーイング株は3月1日につけた446.01ドルの高値から、約16%下落している。
バンク・オブ・アメリカはボーイング737MAX機の生産が6~9ヵ月遅延すると予測している。5日、ボーイングは当初の目標であった月52機の生産を42機にまで削減すると発表した。
ボーイング737機を採用しているアメリカン航空 (NASDAQ:AAL)とサウスウエスト航空(NYSE:LUV)は、同機の生産量削減が夏季の旅行シーズンに重なる懸念を受け、株価は連れ安となった。アメリカン航空は0.5%安となり、737機を長らく採用してきたサウスウエスト航空は2.5%安だった。
JPモルガンがゼネラル・エレクトリック(NYSE:GE)の目標株価を6ドルから5ドルに引き下げたことに伴い、株価は5.2%安となった。同社は「投資家はGEのチャレンジの厳しさと潜在リスクを過小評価し、あまり大きくないバリューばかり見ている」と述べた。ボーイングとGEは今期厳しい決算になることが見込まれる。
FactSetによると、第1四半期におけるS&P500企業の収益は前年比4.2%減になると予想されている。なお、1週前の予測では3.9%減とされており、0.3%の下方修正となった。
「マイナス4.2%が現実となったら、2016年第2四半期以来で最大の減収となるだろう」とFactSetは述べた。
リビアでの戦闘激化により原油供給が不足するとの予測に伴い、原油価格は5ヵ月振りの高止まりとなった。エネルギー価格下降の傾向は全体的に落ち着いてきている。
また、モルガンスタンレーは、アップル(NASDAQ:AAPL)はヘルスケア事業が成長を牽引する旨の報告書を公表し、アップル株は終値1.6%高となった。
ゴールドマンサックスはシマンテック(NASDAQ:SYMC)の格付けを「中立」から「買い」に引き上げ、目標株価を23ドルから28ドルに変更した。同社は5.4%高でテックセクターを底上げした。
また、米国製造業受注件数を見る限り製造業の低迷が懸念されるが、株式市場への影響は見られていない。
今日のS&P500トップ/ワースト
シマンテック(NASDAQ:SYMC)、ウィン・リゾーツ(NASDAQ:WYNN)、フリーポート・マクモラン(NYSE:FCX)がトップ銘柄となった。
一方、ワースト銘柄はゼネラル・エレクトリック(NYSE:GE)、ボーイング(NYSE:BA)、ダラー・ツリー(NASDAQ:DLTR)となった。