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欧米為替見通し:ドル・円は戻りの鈍い展開か、米トランプ政権の関税措置を嫌気も

発行済 2019-04-10 17:25
更新済 2019-04-10 17:41
欧米為替見通し:ドル・円は戻りの鈍い展開か、米トランプ政権の関税措置を嫌気も

10日の欧米外為市場では、ドル・円は戻りの鈍い展開を予想する。

今晩の欧州中央銀行(ECB)理事会でのハト派寄りの政策スタンスやブレグジットの不透明感で欧州通貨売りの流れになりやすい。

ただ、米トランプ政権による関税措置をめぐる強硬姿勢などが、ドルの戻りを抑えそうだ。

今晩は欧米の重要イベントが注目される。

ECB理事会は、現行の政策金利を据え置く公算。

また、ドイツの経済指標の下振れが顕著なためECBは緩和的な政策を堅持する姿勢を示すだろう。

貿易関係の深い中国の経済がやや持ち直していることから、さらに踏み込んで弱気になるとは考えにくいものの、利上げ時期は遠のきユーロは買いづらい。

また、英国の欧州連合(EU)離脱をめぐる今晩のEU臨時首脳会議が注目され、離脱時期の不透明感からポンド売りが強まる見通し。

そうした欧州通貨売りでドル選好地合いに振れやすく、ドル・円は底堅く推移すると予想したい。

一方、米国の3月消費者物価指数(CPI)や連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の内容が焦点。

CPIは前年比+1.8%と前回を上回り、コア指数は同+2.1%と前回並みになると予想される。

その後公表となるFOMC議事要旨(3月19-20日開催分)は、ハト派色の強いトーンとなれば、利上げなしや利下げへの思惑からドル買いは後退。

また、国際通貨基金(IMF)による成長見通しの引き下げで、世界的な景気減速への懸念が今晩も続く見通し。

さらに、トランプ政権の対EU関税措置も今後の通商交渉での強硬姿勢を警戒した円買いにつながり、ドル・円の回復ペースを鈍らせるだろう。

(吉池 威)【今日の欧米市場の予定】・17:30 英・2月鉱工業生産(前月比予想:+0.1%、1月:+0.6%)・17:30 英・2月貿易収支(予想:-128.76億ポンド、1月:-130.84億ポンド)・20:45 欧州中央銀行(ECB)が政策金利発表(0.00%に据え置き予想)・21:30 ドラギECB総裁会見・21:30 米・3月消費者物価指数(前年比予想:+1.8%、2月:+1.5%)・24:50 クオールズ米FRB副議長が討論会出席(金融安定関連)・02:00 米財務省10年債入札(240億ドル、リオープン)・03:00 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録公表(3月19日-20日分)・03:00 米・3月財政収支(予想:-1810億ドル、18年3月:-2087.43億ドル)・EU臨時首脳会議

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