本日の米国市場で注目の3ポイントは以下の通りである。
1. JPモルガン、ウェルズ・ファーゴの決算報告
11日、デルタ航空(NYSE:DAL)を皮切りに第1四半期決算報告シーズンがスタートした。12日の市場開場前に、3つの大手銀行の決算報告が控えている。
銀行が実行した低金利により利幅は縮小している。2018年末の急落を経験した後、銀行銘柄は反騰している。
JPモルガン(NYSE:JPM)は米国最大の資産規模を誇る銀行だ。市場予想では四半期EPS(一株当たり利益)は2.36ドルで、前年(2.37ドル)比1セント安となっている。
予想経常収益は2850億ドルで、前年からほぼ横ばいである。昨年の10-12月で株価は13.5%下落、年間を通し8.7%の下落の後で現在、JPモルガン株は年初来8.8%高である。
市場予想では、ウェルズ・ファーゴ(NYSE:WFC)reportのEPSは1.12ドルで前年から横ばい。経常収支は前年比4.3%減の209億7千万ドルになるとみられる。
株価は10−12月で12.3%の下落、2018年を通して14.2%の下落となった後で、同社株は年初来3.6%の上昇となっている。
ウェルズ・ファーゴはマネジメント問題の解決に四苦八苦している。2018年にティモシー・J・スローンCEOが辞職したことを受け、同社は新たなCEOを探している。
一方、PNCフィナンシャル(NYSE:PNC)はEPS前年比2.43ドル高の2.61ドルを付ける見通しだ。経常収支は前年同時期の41億1千万ドルから3.9%増の42億7千万ドルに達するとみられる。株価は昨年9−12月で14.2%安、前年を通して18.9%安となった後に、年初来9.8%高となっている。
全体的に見て、米国の第1四半期決算報告は芳しくない結果となりそうだ。FactSetはS&P 500企業の第1四半期利益は4.2%安になるとし、2016年第2四半期以来の下がり幅になりそうだ。
2. ミシガン大学消費者信頼感は低下予想
ミシガン大学は日本時間12日午後11時、4月消費者信頼感指数(速報値)を発表する。
ミシガン大学消費者信頼感指数は、予想を上回っていたここ2か月間の数値から僅かに低下し98.1となる見込みである。
消費者期待指数も88.5までやや下がると予想されている。
3. 石油掘削リグ稼働数再び上昇か
先週、ベイカー・ヒューズのリグ稼働数は15台増の831台となった。最新の報告は今日発表される。
先週のリグ稼働数は、ここ7週間以来初めての増加となった。米国エネルギー情報局(EIA)の10日の発表によると、米国の原油生産量は上昇しており、日量1220万バレルという記録的水準となっている。
ここ数週間、掘削活動は陰りを見せていた。そもそも各社が大々的に掘削を行っていたのは、単なる生産量増加ではなく増収を目論んでのことであったからだ。
リグ稼働数が再び増加すれば、米国原油関連各社が今年も生産量を拡大するとのEIAの見解に信頼性が増すだろう。
9日にEIAが発表したところでは、今年の米国の原油生産量は平均日量1239万バレルで、予測値を上回る結果となった。
11日の原油先物は1バレルあたり1.6%安の63.58ドルとなった。