許されるのならば働きたくないのが社会人の総意。
それでも、人それぞれ理由があってせっせと仕事をしてる。
全然やりたくなかった職種でも、望んだ職種でも「なんで働いてるんだろう」って、きっと考えることはある。
社会人ってほんとむずかしい。
「給料上げればモチベーションにつながる」の考え方も、そのまんま通用しなくなってきたように感じる。
最近聞かなくなった「ゆとり世代」ドンピシャの若者が欲しいものは、たぶん時間。
高給激務なくらいなら、まったり薄給を選ぶでしょう。
海外旅行とかでプライベートに色をつけたほうが何倍も幸せを感じる人たちが多くなってきた。
そこが、若い世代とベテランがまずぶつかる点のような気もしていて。
「もっと稼ぐぜ!」と必ずしもビジネスパーソンが考えていないことに、会社はまだ傾いていないのかも。
体育会系の人材が重宝されているのをみると、偏見交じりつつも、やっぱりガツガツと前に出る貪欲さのある新人がかわいがられる。
激務に耐えられる人のほうが「会社的にイイヤツ」だから。
世間一般的にもイイヤツだろうけど。
なにはともあれ、前向きな人やそうでない人、色んな考え方をもった人たちが組織として集まるのは必然で、そのなかで上手くまとまらないと良い成果は出にくい。
昔ながらの熱血漢も、体育会系くんも、プライベート至上主義も、ひっくるめて最高のチームにする方法が書かれているのが『最高のチームに変わる「仕組み」のつくり方』だ。
具体的な行動を示して、仕事を好きでやっているような環境にすれば良い……内容を要約するとこうなる。
なんだかありがちなビジネス書だと思われそうだが、この本のタイトルにあるとおり、「環境づくりをするための仕組みづくり」がこの本の強みだ。
仕組みと聞いて浮かべる言葉は? 機械的?自動的? 答えはそのまま、自動的。
気合いを入れた特別な行いもしなくても大丈夫。
たとえば、役員や上司の朝の一言だけで、全員が上を向いて仕事に取り組むことができる方法もあるんだとか。
「給料vs時間」や「ベテランvs新人」の水かけ論にも納得のいく道ができるかもしれない。
会社に限らなくても、人によって温度差のあるコミュニティに身を置いている人には、一度読んでみてほしい。
(実業之日本社 編集本部 鏡悠斗)『最高のチームに変わる「仕組み」のつくり方』石田淳 著本体価格1400円+税 実業之日本社