[ニューヨーク 20日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが再び下落。米国債利回りの低下がドル売りを誘った。景気後退(リセッション)への懸念が根強い中、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が週末にワイオミング州ジャクソンホールで開かれる年次経済シンポジウムでの講演でハト派発言を行うという期待が膨らんだ。
テンパス(ワシントン)のシニアFXトレーダー、フアン・ペレス氏は「景気後退を示す兆候は数多くある。パウエル議長は政策対応の構えを示すとともに、おそらく追加利下げに言及すると期待している」とした上で「市場は景気後退の前触れとも言える兆候を織り込もうとしている。長短金利の逆転を示す『逆イールド』もそうだし、将来的には安全資産の値上がりが続くだろう」と述べた。
ただ先週記録した2年・10年債の逆イールド (US2US10=RR)は今週解消するなど、市場心理には持ち直しの動きも見られる。
スコシア銀は調査リポートで「パウエル議長講演に向け円ロング(買い持ち)が妥当と考える。議長がハト派発言をすれば米国債利回りは低下しドルもつれ安となる。反対に一段とタカ派となれば安全資産が買われることになる」と予想した。
ドル/円は0.4%安の106.24円。ドル/スイスフランも0.4%安の0.9777フラン。
主要6通貨に対するドル指数 (DXY)は0.2%安の98.166。一時98.40と2週間半ぶりの高値を付ける場面も見られた。
ユーロ/ドル (EUR=)は0.2%高の1.1102ドル。イタリアのコンテ首相は20日、連立政権の一翼を担う右派「同盟」から内閣不信任案が提出されたことを受け、辞意を表明した。
ポンド/ドル は0.3%安の1.2170ドル。対ユーロ (EURGBP=) (EURGBP=D3)では0.1%安の91.20ペンス。欧州連合(EU)は20日、ジョンソン英首相が求めるEU離脱協定案の再交渉に応じない姿勢を鮮明にした。協定案の争点とされるアイルランド国境問題の解決策 「バックストップ(安全策)」を巡り、英国が「現実的な代替策」を提示していないと批判した。
ドル/円 NY終値 106.22/106.24
始値 106.31
高値 106.44
安値 106.19
ユーロ/ドル NY終値 1.1099/1.1102
始値 1.1080
高値 1.1106
安値 1.1067