12日の香港市場はまちまち。
主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比71.43ポイント(0.26%)安の27087.63ポイントと3日ぶりに反落する半面、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)は27.36ポイント(0.26%)高の10592.37ポイントと続伸した。
売買代金は767億7400万香港ドルにやや縮小する(11日は894億8000万香港ドル)。
香港経済の減速が不安視される流れ。
香港デモの余波により、域内企業の業績悪化が警戒される状況だ。
香港航空大手の国泰航空(キャセイ航空:293/HK)が11日引け後に報告した月次統計では、8月の旅客数が香港デモの影響で11カ月ぶりに縮小している(キャセイ株は0.9%安)。
もっとも、大きく売り込む動きはみられない。
米中対立の緩和期待が強まっている。
トランプ米大統領は11日(日本時間12日朝方)、10月1日に導入予定だった約2500億米ドル相当の対中追加関税について、発動を15日に遅らせると発表した。
また、「中国が国内企業による米農産物輸入の再開を認める可能性がある」とも伝えられている。
トランプ大統領が10日、外交政策が強硬的なボルトン大統領補佐官を解任したことも改めて憶測を呼ぶ。
一部では、「米中交渉が進みやすくなる」との見方も浮上している。
ハンセン指数の構成銘柄では、取引所運営の香港交易所(香港証券取引所:388/HK)が3.5%安、石油大手の中国海洋石油(CNOOC:883/HK)が3.1%安と下げが目立った。
香港交易所については、巨額の買収案件が不安材料。
同社は11日引け後、英ロンドン証券取引所(LSE)グループに買収提案したと発表した。
総額296億ポンド(約3兆9400億円)で全株式を取得する計画という。
また、中国海洋石油に関しては、昨夜の原油市況安が嫌気された。
両銘柄は指数寄与度が大きいだけに、あわせてハンセン指数を50.2ポイント押し下げている。
このほかにも、香港銘柄の一角もさえない。
東亜銀行(23/HK)が2.2%安、九龍倉置業地産投資(1997/HK)が1.7%安、恒基兆業地産(12/HK)が1.5%安、香港鉄路(MTR:66/HK)が1.3%安、恒生銀行(11/HK)が0.9%安で引けた。
半面、株価が米中関係に左右されやすい銘柄群は物色される。
パソコン(PC)世界大手の聯想集団(レノボ・グループ:992/HK)が4.3%高、電動工具メーカー大手の創科実業(669/HK)が4.0%高、ブタ肉生産で世界トップの万洲国際(WHグループ:288/HK)が3.9%高、光学部品メーカーの舜宇光学科技(2382/HK)が1.0%高と値を上げた。
5Gネットワークや半導体関連の銘柄群もしっかり。
京信通信系統HD(2342/HK)が2.7%高、中興通訊(ZTE:763/HK)が2.2%高、長飛光繊光纜(6869/HK)が1.3%高、中国鉄塔(788/HK)が1.1%高、華虹半導体(1347/HK)が3.3%高、ASMパシフィック・テクノロジー(522/HK)が2.9%高、中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が1.2%高と上昇した。
本土マーケットは3日ぶり反発。
主要指標の上海総合指数は、前日比0.75%高の3031.24ポイントで取引を終えた。
金融株が相場をけん引する。
不動産株、消費関連株、自動車株、運輸株、インフラ関連株、素材株、発電株、ハイテク株なども買われた。
【亜州IR】