前日の米国株式市場はECBの金融緩和、米政権が中国との貿易交渉において暫定合意を検討などのニュースが伝わり、主要3指数揃って上昇した。ダウ平均株価は2万7182ドルと史上最高値まで約200ドルまで迫っている。
米10年債利回りは1.785%、2年債利回りは1.725%となっている。ドル/円は108.25円と円安に振れている。
午前10時48分時点での上海総合指数は0.75%高、香港ハンセン指数は0.21%高と上昇している。韓国株式市場は休場だ。ドル/オフショア人民元は0.03%安、ドル/ウォンは0.12%高で推移している。
日経平均株価は2万1975円と大きく続伸。トランプ大統領が米中間層向けの減税を2020年に発表と発言したことで、これを買い材料に上昇している。米中貿易交渉の暫定合意検討や減税など最近のトランプ政権は完全に選挙を意識した動きだ。経済が悪化して大統領選に臨めば再選は限りなく厳しくなるという現実の前に、なりふり構わずというところだろう。米中貿易協議に関していえば、暫定合意は検討だけであくまで包括合意を目指すとのことだが、後者への道のりは相当厳しいだろう。暫定合意という話が出ること自体が、その厳しさを物語っている。中国は特殊な政治体制と巨大な国内市場を持ち、選挙に振り回される米国より持久戦ができ、米国の要望に完全に同意するとは思えないからだ。また、減税に関していえば下院の過半数を民主党が握っており、財政赤字が膨らんでいる現状を考えると、どこまで実現できるかは不透明だ。具体的な減税内容も発表されておらず、材料視するには早いと思われる。
後場の日経平均は3連休を控え、ここからの上値はさすがに重いだろう。25日移動平均線との乖離率は5.5%となっており、いつ調整してもおかしくない状況だ。RSIは73.605とこちらも危険水域である。好材料連発で調整せず大きく上昇しているが、短期的に果たしてどこまでの上値が見込めるかは微妙な状況といえるだろう。