[トロント 22日 ロイター] - 投資家の間では、カナダ中銀の向こう数カ月の利下げ予想が後退している。カナダの国内経済が底堅いことに加え、21日に実施された下院議会選挙の結果を受けて、来年の財政支出拡大が見込まれているためだ。
選挙では中道左派の与党自由党が第1党を維持し、トルドー首相が続投する見通しとなった。ただ、単独過半数には届かず、新民主党(NDP)など左派寄りの政党との連携が必要になる。
BMOキャピタル・マーケッツのチーフエコノミスト、ダグ・ポーター氏は「支出増と赤字拡大が予想され、来年の経済成長を一時的に押し上げる可能性がある。カナダ中銀もより長く、政策金利を据え置くことになるだろう」と話す。
トルドー首相の選挙陣営は、来年度の財政赤字について、倍近い274億カナダドル(約210億米ドル)を見込んでいる。NDPは、気候変動関連の措置に150億加ドルを投資することを打ち出している。
カナダ中銀は今年、政策金利を据え置いている。短期金融市場は、10月30日の会合での利下げをほぼ織り込んでいない。12月までの利下げ確率は約10%と、9月の前回会合前の90%超から低下した。