[ミラノ/パリ 30日 ロイター] - 自動車大手フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA) (MI:FCHA) (N:FCAU)と仏PSAは30日、両社統合の可能性について協議していることを確認した。両社が合併した場合、新会社の規模は500億ドル相当に達する可能性がある。
関係筋によると、PSAの監査役会は30日にこの件について協議する見通し。ある関係者は早ければ31日にも合意内容の発表があり得るとした。
FCAの広報担当者はコメントを控えた。仏財務省の関係筋はロイターに対し、合併協議を注視していると明かした。仏政府はPSAに12%出資している。伊パトゥアネッリ経済開発相は協議の行方を見守っているとした。伊政府はFCAに出資していない。
フィアットは6月、仏ルノー (PA:RENA)との統合協議が破談に終わったばかり。PSAは「プジョー」などを傘下に抱えている。
モーニングスターのシニア株式アナリスト、リチャード・ヒルガート氏によると、FCAとプジョーの昨年の合計販売台数は、中国の合弁事業を含めると870万台。統合が実現すれば、フォルクスワーゲン(VW)、トヨタ (T:7203)、ルノー・日産 (T:7201)連合に次ぐ4位のメーカーになる。
同氏は「世界的な競争や高い資本集約度、また電動パワートレインや自動化技術といった業界の断絶を踏まえると、両社の統合は妥当だ」と述べた。
バーンスタインのアナリスト、マックス・ウォーバートン氏は、FCAとPSAの統合について、破談となったFCAとルノーの統合よりも合理的であり、成功の可能性も高いと指摘。ただ米国、中南米、中国ではPSAが相乗効果をほとんど提供できず、「欧州が中心になるだろう」との見方を示した。
英国最大の労働組合ユナイトは、FCAとPSAの合併協議や英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)が英国内の自動車工場で働く労働者に多大な不安をもたらしていると表明した。
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