[8日 ロイター] - 8日のソウル株式市場の株価は反落。米中貿易協議をめぐる不透明感が地合いを圧迫した。
総合株価指数(KOSPI)は前日終値比7.06ポイント(0.33%)安の2137.23で終了した。一方、週間では1.76%上昇した。
米中政府高官は7日、貿易協議の「第1段階」で妥結すれば、追加関税を段階的に撤廃することで合意したと明らかにした。一方で、ロイター通信は米政権内外から反対意見が出ていると報じ、米中貿易協議をめぐる楽観的見方が後退した。
ケープ・インベストメント・アンド・セキュリティーズのアナリストは、米高官が関税撤廃に反対しているとの報道を受けて、ソウル市場は圧迫されたと述べた。また、予想を上回る中国輸出統計により、下値は限られたとも話した。
外国人投資家は940億ウォンの売り越し。
8日のシドニー株式市場の株価は、ほぼ変わらずで引けた。エネルギー株が高かったものの、前日の金相場安を嫌気して産金株が安かった。
S&P/ASX200指数は週間では0.8%上昇した。
米中貿易協議で進展の兆しが見られる中、米国の株価指数は最高値で終了。安全資産としての金への需要は後退した。ただ、アジア市場には波及しなかった。
産金株 (AXGD)は約3年ぶりの大きな下げ。金相場は前日に2%下落した。
産金株指数は、週間で約8%下落した。米中貿易協議の進展期待で金塊需要がしぼんだ。ニュークレスト・マイニング (AX:NCM)は4.6%安。
不動産株なども下落。REA (AX:REA)は3.6%安だった。
一方、原油価格の上昇を受けて、エネルギー株 (AXEJ)は上昇した。ビーチ・エナジー (AX:BPT)は1.7%高。サントス (AX:STO)は1.5%高。
ウッドサイド・ペトロリアム (AX:WPL)は2%上昇した。
中国株式市場は下落。前場は上昇していたが、米中の部分通商合意に不透明感が生じ、下げに転じた。
前日、米中当局者が、「第1段階」の通商合意の一環で双方が追加関税を段階的に撤廃することで合意したと発表。さらに、この日午前に発表された10月の貿易統計で、輸出入ともに予想ほど落ち込まなかったことから、前場は堅調だった。
しかし、米トランプ政権内に、対中関税撤廃への反対論が出ているとのロイターの報道が重しとなり、下げに転じた。
上海総合指数 (SSEC)終値は14.5295ポイント(0.49%)安の2964.1849と11月1日以来の低水準。
上海と深センの株式市場に上場する有力企業300銘柄で構成するCSI300指数 (CSI300)終値は18.864ポイント(0.47%)安の3973.011。
週間では、上海総合指数が0.2%上昇、CSI300は0.5%の上昇となった。
この日は金融株が1%下落、生活必需品株が0.2%安、不動産株は0.8%下落した。
深セン指数 (SZSC)は0.2%下落、新興企業向け市場のチャイネクスト総合指数 (CNT)も0.3%下落した。
香港株式市場も下落。
ハンセン指数 (HSI)終値は196.09ポイント(0.70%)安の2万7651.14。
ハンセン中国企業株指数(H株指数) (HSCE)終値は53.59ポイント(0.49%)安の1万0882.30。
ただ、ハンセン指数は週間ベースで2%上昇。上昇率は8週間ぶりの大きさ。暫定的な米中通商合意を巡る楽観論が出ていたことが背景だ。
エネルギー株 (HSCIE)が0.5%高、IT(情報技術)株 (HSCIIT)が2.1%安、金融株 (HSNF)が0.6%安、不動産株 (HSNP)が1.1%安。
(リフィニティブデータに基づく値です。前日比が一致しない場合があります) OLJPBUS Reuters Japan Online Report Business News 20191108T092748+0000