[エッセン/フランクフルト 12日 ロイター] - ドイツの鉄鋼大手ティッセンクルップ (DE:TKAG)は、傘下のエレベーター事業ティッセンクルップ・エレベーター・テクノロジー(ET)の売却で少なくとも3グループから名乗りを得た。事情に詳しい4人の関係者が明らかにした。
関係者によると、3グループはフィンランドの同業コネとプライベートエクイティ(PE)のCVCの連合、PEのブラックストーンとカーライル、カナダ年金基金投資委員会(CPPIB)の連合、PEのアドベント、シンベン、アブダビ投資庁(ADIA)の連合。日立製作所 (T:6501)は買収から撤退したという。
関係者は売却額を最大170億ユーロ(187億ドル)と見込んでいる。ティッセンクルップの事業で最も収益性の高い資産とされ、同社が年金原資の調達や債務削減などに迫られていることを示す。
各グループは過半数株式の取得を目指すが、ティッセンクルップの主要株主から賛同を得るため少数の持ち分にとどめることも想定。
ティッセンクルップの第2位株主であるアクティビストファンドのセビアンはETの全面売却を望んでいる半面、労組代表はこれに反発している。
ティッセンクルップの監査役会の半数はドイツ最大労組IGメタルを含む労組代表が占めており、こうした労組側の支持を取り付けるため3グループは再編対象になる雇用や拠点などの面で譲歩する用意もある。
言及された関係者はいずれも取材に対し、コメントに応じないか、コメントを拒んだ。 OLJPBUS Reuters Japan Online Report Business News 20191113T015206+0000