[上海 13日 ロイター] - 中国版ナスダックと呼ばれる上海証券取引所の「科創板(スター・マーケット)」では今月、6銘柄が新規株式公開(IPO)価格を下回った。中国経済が急速に減速する中、投資家が高バリュエーションを再評価したことが要因だ。
上海昊海生物科技と光開始剤メーカーの天津久日新材料は今月6日に公開価格を割り込んだ。
天津久日新材料の13日終値は62.74元で、公開価格を6%下回っているほか、上場初日に付けた最高値からは16.3%値を下げている。
同社のIPOは今月5日に実施され、株価収益率(PER)は同業他社が16.9倍のところ、42.2倍となっていた。
その他4銘柄も、投資家が各社の事業運営や決算をより注視する中、値を下げている。寧波容百新能源科技 (SS:688005)と蘇州天准科技 (SS:688003)はそれぞれ最高値水準から60%以上下落している。
6社は上場前、いずれもPERが同業他社を上回っているとして、株価下落に伴う損失発生リスクを投資家に警告していた。
聯訊証券のアナリストは7月に始まった科創板について、当初の高揚感が薄れ、投資家は企業のファンダメンタルズをより冷静に評価するようになっていると指摘。現在の修正局面は公開時点における高バリュエーションが一因だと付け加えた。
科創板には現在、50社以上が上場している。