[2日 ロイター] - 米感謝祭明けの月曜日に実施されるインターネット通販の大規模セール「サイバーマンデー」の売上高は92億ドルに達する見通しだ。従来予想の94億ドルから下方修正されたが、依然として過去最高に達する見込み。
セールの前倒しや無料配送などが奏功し、感謝祭翌日「ブラックフライデー」の週末に続いて好調な売り上げとなりそうだ。
今年は感謝祭の時期が例年より遅く、年末商戦の期間が6日短いため、小売業者は1カ月近く前からセールを実施してきた。
アドビ・アナリティクスの試算によると、過去1カ月間のネット通販での支出額は721億ドル。サイバーマンデーの売上高は米東部時間2日午後7時時点で前年比16.9%の大幅増となった。
アドビは米小売り業界のトップ100社のうち80社の取扱額を集計。これまで集計されたデータに基づき、従来予想の94億ドルを92億ドルに引き下げた。
携帯電話やタブレット端末で買い物をする消費者が増える中、ネット通販大手アマゾン・ドット・コム (O:AMZN)のほか、小売り大手のターゲット (N:TGT)やウォルマート (N:WMT)は、注文に迅速に対応するため配送サービスを強化してきた。
コンサルティング会社スピーカーマン・リテールのプレジデント、キャロル・スピーカーマン氏は「サイバーマンデーはブラックフライデーをもう一度やるようなもので、モメンタムは実質的に前週から高まった」と指摘。「ネット上で商品を購入して店舗で受け取る『クリック・アンド・コレクト』の機能はより効率的になり、ネットでの買い物もより直感的にできるようになった」とし、今年は便利さの面で優れているのはアマゾンだけではないと述べた。
アドビによると、92億ドルの売上高予想のうち、30億ドルはスマートフォン販売で、米国内の過去最高を更新する見込み。
全米小売業協会(NRF)は、2日のサイバーマンデーに6900万人近くの米消費者がネット上で買い物をすると試算している。
アドビ・アナリティクスによると、テレビやコンピューターの値引きが最大となっている。ディズニー映画「アナと雪の女王2」に関連した玩具やゲーム機「ニンテンドースイッチ」などが最も人気の商品という。
こうした中、ニューヨークにあるアマゾンのベゾス最高経営責任者(CEO)の自宅前では、同社の倉庫労働者や労働組合、地域団体などが、労働者の待遇や配送時間短縮に伴う温暖化ガス排出に抗議してデモ行進を行った。
同社の広報担当クリステン・キッシュ氏は、労組と競合他社の資金援助を受けている団体は、アマゾンについて「偽情報を発信している」と強調。同社の給与と福利厚生は業界トップクラスで、2040年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにする「カーボン・ニュートラル」になるという目標を掲げていると説明した。
11月29日には、欧州へのブラックフライデー拡大を非難する抗議デモがフランス各地で行われた。
*内容を追加しました。