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Jトラスト Research Memo(3):日本金融事業、韓国及びモンゴル金融事業を中心に業績回復基調(2)

発行済 2019-12-06 15:03
更新済 2019-12-06 15:21
© Reuters.  Jトラスト Research Memo(3):日本金融事業、韓国及びモンゴル金融事業を中心に業績回復基調(2)

■Jトラスト (T:8508)の業績動向(2) 韓国及びモンゴル金融事業2019年12月期第2四半期の韓国及びモンゴル金融事業は、中金利帯の貸付が増加したことによる期中平均金利の低下や貸出基準の厳格化に伴い利息収益が減少したこと等により営業収益は18,994百万円(前年同期比6.2%減)となったが、セグメント利益は債権回収実績率の見直しに伴い貸倒引当金繰入額が減少したこと等により4,258百万円(同77.4%増)となり、セグメント中で最大の利益を稼ぎ、早くも通期計画を達成している。

JT親愛貯蓄銀行とJT貯蓄銀行の店舗網は韓国全土の70%をカバーし、2行合算の資産規模は韓国貯蓄銀行中でトップ3に位置する。

JT親愛貯蓄銀行、JT貯蓄銀行及びJTキャピタルの3社合計貸出資産残高は2019年9月には3,309億円に達している。

一方、延滞率(90日以上延滞債権の割合)は2016年3月の5.0%から2019年9月には3.8%に低下している。

引き続き債権の「質」を重視し、安定した貸出資産の維持に努める方針だ。

加えて、韓国ではサービサー事業も利益に貢献している。

TA資産管理における請求債権残高は2019年9月には284億円と前年同期の217億円から増加した。

不良債権投資・回収は同社グループが最も得意とする事業であり、TA資産管理は業界内でもメジャーなプレイヤーとして認知されているという。

今後も高い回収力を背景に事業を推進し、グループ収益に貢献すると見られる。

ただ、現在は品不足で不良債権価格が高騰しており、新たな買取については様子見の状況である。

(3) 東南アジア金融事業東南アジア金融事業では、東南アジアで最大の人口を持つインドネシアにおいて、ライツ・オファリングで得た資金により、銀行業のJトラスト銀行インドネシアを傘下に収め、現在は同行の立て直しに注力している。

また、債権回収業のPT JTRUST INVESTMENTS Indonesia(以下、Jトラストインベストメンツインドネシア)、マルチファイナンス会社のJTOを傘下に持つ。

さらに、カンボジアにおいて、2019年8月より優良銀行であるJTRBを傘下に収め、銀行業務を開始している。

同社グループでは東南アジア金融事業が第3の収益の柱に成長し、グループの業績をけん引することを期待している。

2019年12月期第2四半期は、銀行業における貸出金減少に伴い利息収益が減少したこと等により、東南アジア金融事業の営業収益は5,873百万円(前年同期比6.2%減)となった。

利益面では、Jトラスト銀行インドネシアにおいて、フォークローズドアセット評価損(差押え担保資産の評価損)を計上し、新たに連結子会社としたJTOも損失となったものの、JTRBを連結子会社としたことにより負ののれん発生益を計上したことで、セグメント損失1,936百万円(前年同期は2,418百万円の損失)と改善した。

長期間にわたって預金保険機構の管理下にあったJトラスト銀行インドネシアについては、同社グループでは最優先課題の1つとして、再生に取り組んでいる。

これまでに、同行の増資を行うとともに、不良債権の回収に特化した新会社Jトラストインベストメンツインドネシアを設立して、同行から不良債権を切り離して譲渡することにより、財務体質の改善を図るなど、銀行再生を加速してきた。

ただ、銀行再生が計画どおりに進まなかったことから、2019年3月期決算において抜本的な対応に踏み切った。

すなわち、Jトラスト銀行インドネシアでは買収前からの負の遺産を含めた不良債権を前倒しで一括処理することを決断した。

このように抜本的な不良債権処理を断行することで、東南アジア金融事業の業績急回復を実現するための基盤を整えた。

インドネシアでは不良債権処理を進めた一方で、カンボジアでJTRBを連結子会社としたことで、2019年12月期第2四半期末の銀行業における貸出金は973億円となった。

JTRBについては、今後はミドルリスク層にまで顧客層を拡大することで、大きな収益貢献を期待する。

(4) 投資事業投資事業は、現在係争中のJトラストアジアが保有するGroup Lease PCL(以下、GL)に対する債権の全額について貸倒引当金繰入額を計上したこと等により、2019年3月期に200億円超の損失を計上した。

また、2019年12月期第2四半期には、訴訟関係費用の増加等により販管費が増加したことで、営業収益は533百万円(前年同期比18.5%減)、セグメント損失は1,093百万円(前年同期は291百万円の損失)となった。

ただ、既に十分な貸倒引当金を引き当てたことで、今後は将来の回収金は利益計上されることになるため、回収に尽力することでグループ全体の業績回復に貢献する計画である。

(5) 非金融事業2019年12月期第2四半期の総合エンターテインメント事業と不動産事業を合算した営業収益は、総合エンターテインメント事業のM&Aにより5,591百万円(前年同期比1.8倍)の大幅増収となったが、セグメント利益は246百万円(同5.6倍)にとどまった。

同社グループでは、非金融事業の整理により効率経営を進めてきたが、本業である金融事業とのシナジーを考えると、非金融事業は今後もさらに見直しの余地が大きい事業分野と言えるだろう。

3. 財政状況と経営指標2019年12月期第2四半期末の資産合計は、前期末比36,739百万円増の705,116百万円になった。

これは主に、JTRBを連結子会社としたこと等により現金及び現金同等物、銀行業における貸出金が増加したこと等による。

一方、負債合計は、同30,450百万円増の588,101百万円になった。

これは主に、JTRBを連結子会社としたこと等により銀行業における預金が増加したこと等による。

資本合計については、同6,288百万円増の117,015百万円となった。

これは主に、海外子会社等の換算差額等の減少によりその他の資本の構成要素が減少した一方で、JTRBを連結子会社としたこと等により非支配持分が増加したこと等によるものである。

以上の結果、2019年12月期第2四半期末の親会社所有者帰属持分比率は14.0%であった。

資本合計が減少を続けたこと等から、同比率は2017年3月期末の24.2%から低下しているが、今後は利益の積み上げに伴い、徐々に改善に向かうと予想される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)

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