[ニューヨーク 17日 ロイター] - 米政府系住宅金融機関(GSE)の連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ) (PK:FNMA)と連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック) (PK:FMCC)の債券の価格を大手金融機関16社が共謀して不当につり上げたとして投資家らが起こした民事訴訟で、まだ和解していなかった13社が、総額3億3700万ドルを支払う和解案に合意した。
暫定的な和解案が16日夜にニューヨークのマンハッタン連邦地裁に提出された。裁判所が承認すれば今回の独占禁止法違反訴訟がすべて決着する。
和解案によると、両GMS債を最も多く引き受けたバークレイズ (L:BARC)が8700万ドルを支払う。残るバンク・オブ・アメリカ (N:BAC)、BNPパリバ (PA:BNPP)、カンター・フィッツジェラルド、シティグループ (N:C)、クレディ・スイス (S:CSGN)、HSBC (L:HSBA)、JPモルガン・チェース (N:JPM)、モルガン・スタンレー (N:MS)、野村 (T:8604)、ソシエテ・ジェネラル (PA:SOGN)、トロント・ドミニオン (TO:TD)、UBS (S:UBSG)の12社が、計2億5000万ドルを支払う。
ドイツ銀行 (DE:DBKGn)、ゴールドマン・サックス (N:GS)、ファースト・ホライズン (N:FHN)の子会社の3社は計4950万ドルを支払うことで和解済み。16社の支払い総額は3億8650万ドルとなる。
ペンシルベニア州のジョー・トーセラ州財務長官を含む投資家らによると、被告らは市場支配力を悪用し、2009年1月1日から19年1月1日にかけて両GMS債の価格をつり上げ、不当な利益を得たとしている。
米司法省が関連の刑事捜査に着手した後、この民事訴訟が始まった。
修正された訴状によると、16社は09年1月1日から16年1月1日までの7年間に発行された両GMS債の77.2%に相当する計3兆9700億ドル分を引き受けていた。