■要約コニシ (T:4956)は、「ボンド」ブランドで知られる国内トップクラスの接着剤・シーリング材メーカーである。
一般家庭用が有名であるが、産業用、住宅・建材用、建築・土木用と幅広い製品をそろえており、主たる市場は住宅・建築・土木関連である。
1. 2020年3月期第2四半期の業績動向2020年3月期第2四半期の業績は、売上高65,196百万円(前年同期比3.4%増)、営業利益3,060百万円(同6.7%増)、経常利益3,125百万円(同5.1%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益1,968百万円(同8.7%増)となり、売上高、営業利益、親会社株主に帰属する四半期純利益はいずれも第2四半期としては過去最高となった。
セグメント別では値上げ効果等により主力のボンド事業は増益となったが、土木建設事業は子会社が低調であったことから減益となり、化成品事業も主に子会社の丸安産業(株)が不振であったことから減益となった。
2. 2020年3月期の業績見通し2020年3月期の業績は、売上高141,000百万円(前期比5.1%増)、営業利益8,000百万円(同13.8%増)、経常利益8,100百万円(同12.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益5,000百万円(同13.5%増)が予想されており、期初予想と変わってない。
セグメント別では、すべてのセグメントで増収増益を予想している。
原材料価格の上昇に伴う価格転嫁が進んだ一方で、原材料価格は既に低下しつつあることから、決して楽観はできないがこの予想利益(2桁増益)を達成することは十分可能だろう。
3. 新中期経営計画2021同社は前回の「中期経営計画2018」が終了したことに伴い、「新中期経営計画2021」を発表している。
数値目標としては、2021年3月期に売上高1,500億円(2018年3月期比16.7%増)、営業利益86億円(同18.8%増)、営業利益率5.7%(同5.6%)、ROE9.0%(同8.6%)を掲げているが、足元の業績動向から判断して、この目標達成は射程圏と思われる。
この間に、設備投資額150億円(上限)、M&Aに150億円(同)の枠を設定しているが、前期の本社ビル取得(約46億円)はこの枠に含まれていない。
コニシグループ各社との連携を強化して、売上高・営業利益ともに過去最高を目指す計画だ。
今後の進捗は大いに注目される。
■Key Points・国内最大級の接着剤・シーリング材メーカー。
向け先は住宅用、産業用、土木建設補修用等幅広い・2020年3月期は全事業で増収増益を目指し、売上高・営業利益は過去最高を達成する見込み・「新中期経営計画2021」の目標は営業利益86億円、ROE9.0%。
更なる増配余地も(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)