40%引きでご購読
新規!💥 ProPicksを手に入れ、S&P 500を1,183%を超える投資成績を実現した、戦略をご覧ください40%割引で開始

コニシ Research Memo(2):国内トップクラスの接着剤・シーリング材メーカー

発行済 2020-01-07 15:02
更新済 2020-01-07 15:21
© Reuters.  コニシ Research Memo(2):国内トップクラスの接着剤・シーリング材メーカー

© Reuters. コニシ Research Memo(2):国内トップクラスの接着剤・シーリング材メーカー

■事業概要1. 主要な事業セグメントコニシ (T:4956)の事業セグメントは、2017年3月期までは、「ボンド事業」「化成品事業(化学品の商社業)」「土木建設工事」「その他」の4部門に分けて開示されていたが、2018年3月期からボンド事業の一部(土木建設用)を土木建設部門に組み込み、新たに「ボンド」「化成品」「土木建設」「その他」の4セグメントとして開示されている。

新しいセグメントでの2019年3月期の売上高比率は、ボンド事業37.1%、土木建設事業22.2%、化成品事業40.7%、その他0.1%となっている。

営業利益(全社消去前)ではボンド事業が59.1%、土木建設事業が32.1%、化成品事業が8.9%となっている。

化成品事業の利益の比率が低いのは、同事業が仕入販売を行う商社事業であるのに対して、ボンド事業及び土木建設事業は自社で製造・販売・エンジニアリング等を行っているためである。

各事業の概要については以下のとおりとなっている。

(1) ボンド事業ボンド事業では、主に一般家庭用、住宅・建材用、産業資材用の各種接着剤、シーリング材及びワックス・両面テープ等の製造販売を国内外で行っている。

アイテム数は「ボンド」のブランドが付く商品だけで約6,500アイテムに上り、業界での品ぞろえは国内で群を抜いている。

また、子会社サンライズ(株)では主に戸建て用の建築用シーリング材や自動車用シール材・接着剤を製造・販売している。

もう1つの子会社ウォールボンド工業(株)は壁紙用接着剤の製造販売を行っている。

(2) 土木建設事業2016年3月期から新しいセグメントとしてそれまでの「その他事業」から分離され、さらに2018年3月期からはコニシ本体に含まれていたボンド事業の一部の製品(主に土木建設用)が組み入れられた。

内容は子会社のボンドエンジニアリング(株)、コニシ工営(株)、近畿鉄筋コンクリート(株)、角丸建設(株)で手掛ける工事請負事業とコニシ本体で製造される土木建設用接着剤やシーリング材が含まれる。

工事請負事業は、主に官公庁、鉄道会社、道路公団等から発注された道路、鉄道、トンネル、橋梁などの補修・補強工事を請負うもの。

同社の場合は接着剤メーカーとしてのノウハウや経験を生かした補修・補強工事を専門で行っているのが特色である。

(3) 化成品事業化成品事業では石油化学製品、合成樹脂、工業用薬品全般、電子機能性材料の仕入販売を行っており、主たる業務は商社的な事業である。

同社の根源とも言える事業であるが、利益率は低いので、新しい中期経営計画では引き続き抜本的な改革を推進する計画だ。

(4) その他その他事業は不動産賃貸業。

売上高・利益ともに微少であり全体の収益に与える影響は小さい。

2. 市場シェアと競合企業主力製品である合成接着剤においては生産量ベースでの市場シェアは10%強の水準と推計され、ここ数年はわずかながら上昇トレンドにある。

また、金額ベースのシェアは12~13%(建設用シーリング材を除く)と推計され、国内では数量・金額ともトップシェアとなっている。

主な競合企業は、一般家庭用ではセメダイン (T:4999)、住関連用では主にアイカ工業 (T:4206)、セメダイン、(株)オーシカなどがある。

建設シーリング材では横浜ゴム (T:5101)、サンスター技研(株)などと競合する。

建設・土木用では、接着剤ではショーボンド化学(株)(現 ショーボンドマテリアル(株))との競合となるが、実際の工事現場では子会社のボンドエンジニアリング(株)がショーボンド建設(株)と競合する格好となっている。

また、工場生産用では昭和電工 (T:4004)、ヘンケルジャパン(株)やオーシカ等が競合大手である。

また、エレクトロニクス製品の生産用ではセメダインや(株)スリーボンドと競合するが、両面テープまで広げると日東電工 (T:6988)やスリーエムジャパン(株)が競合企業として挙げられる。

3. 特色、強み(1) ブランド力同社の最大の強みは「ボンド」の持つ圧倒的なブランド力である。

一般家庭向けの「ボンド木工用」から建築用、産業用の「ボンド」まで、老若男女を問わず誰もが「ボンド」の名を知っている。

(2) 製品ラインナップと販売網前述のように製品ラインナップが豊富なことも同社の特色である。

また、幅広い製品ラインナップは企業の収益基盤としての強みでもある。

(3) 接着剤専業としての強みと販売網前述のように多くの競合企業(セメダインを除く)は接着剤の専門メーカーではなく、化学品メーカーが多い。

言い換えれば、競合企業にとって接着剤は本業ではなく1つの事業でしかない。

これに比べて同社は接着剤専業メーカーであるため、顧客からの信頼は厚い。

これも同社の特色であり、強みだろう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

最新のコメント

当社アプリをインストール
リスク開示書: 金融商品や仮想通貨の取引は投資金額を失う高いリスクがあります。仮想通貨の価格は非常にボラティリティーが高く、金融、規制、政治など、外的な要因に影響を受けることがあります。また信用取引はリスクが高いことを十分に理解してください。
金融商品または仮想通貨の取引をする前に、金融市場での取引に関わるリスクやコストについて十分に理解し、専門家の助言を求めたり、ご自身の投資目的や経験値、リスク選好等を注意深く検討することを推奨いたします。
Fusion Media によるこのウェブサイトのデータが、必ずしもリアルタイムおよび正確ではないということをご了承ください。またデータや価格が、必ずしも市場や取引所からではなく、マーケットメーカーにより提供されている場合があります。その為、価格は気配値であり、実際の市場価格とは異なる可能性があります。Fusion Media および当ウェブサイトへのデータの提供者は、当ウェブサイトに含まれる情報を利用したすべての損失に対して一切の責任を負わないものとします。
Fusion Media およびデータ提供者による事前の書面の許可なしに、当ウェブサイト上のデータを使用、保存、複製、表示、変更、送信、配信することを禁じます。すべての知的財産権は当ウェブサイト上のデータの提供者、または取引所が有します。
Fusion Media は当ウェブサイトに表示される広告により報酬を得ることがあります。
上記内容は英語版を翻訳したものであり、英語版と日本語版の間に不一致がある時は英語版が優先されます。
© 2007-2024 - Fusion Media Limited. 無断複写・転載を禁じます