近畿日本鉄道、三菱総合研究所 (T:3636)、オムロン ソーシアルソリューションズ、chaintope、近鉄グループホールディングス (T:9041)の5社は29日、2020年2月17日~23日、ブロックチェーン技術とQRコードを活用したデジタル乗車券をスマートフォンのアプリ上で発行し、自動改札機で利用する実証実験を開始すると発表した。
近鉄難波線「近鉄日本橋」駅と近鉄大阪線「近鉄八尾」駅にて、参画各社の関係者約50名を対象に行うようだ。
同実験は、総務省が行う「地域経済の活性化に資するブロックチェーン技術による情報の安全かつ円滑な流通及び『スマートコントラクト』による省力化等の検証及び社会実装に向けた調査研究」の一環であるという。
データの信頼性や耐改ざん性といったブロックチェーン技術の特性を活かし、セキュリティ強化、利便性の向上、駅業務の効率化など、同技術の新たな利用可能性を検証すると伝えている。
実験では、実験実施駅において、スマートフォンアプリに搭載したQRコード乗車券を実験 用の自動改札機にかざし、入出場日時の記録、入出場の可否判断などを行う。
企画乗車券(特定の利用条件を定めて発売する乗車券)をQRコード化し、スマホアプリに搭載した場合の利便性、業務効率化、コスト等の検証を行うもよう。
また、ブロックチェーン技術を用いたチケットの発行・管理システムの品質面、保守・運用面およびコスト面の検証、スマートコントラクトの技術・運用上の課題の整理といった技術面での検証も行うとしている。
将来的には、デジタル地域通貨「近鉄ハルカスコイン」「近鉄しまかぜコイン」等の決済機能と一体化するなど、デジタル地域通貨やMaaS(次世代移動サービス)などと組み合わせた新たなサービスの創出も視野に入れるという。