[ロンドン 20日 ロイター] - 新型コロナウイルスの感染拡大により、コンテナ輸送や物流に混乱が生じる中、海運会社や港湾業者はコスト上昇や業績への影響を予想している。
コンテナ船世界最大手のマースク (CO:MAERSKb)は20日、新型ウイルスの感染拡大が今年の業績の重しになるとの見通しを示した。
同社のソレン・スコウ最高経営責任者(CEO)は「(中国の)港で大きな圧力にさらされている。コンテナを移動する労働者やトラック運転手が足りず、工場や倉庫でも荷物を受け取る人がいないためだ」と述べた。
また「ここ2週間に中国での荷積みを多数取りやめたため、アジアで多くの船が待機状態にある」とした。
海運コンサルティング会社・アルファライナーの試算によると、アジアと欧州北部の主要な航路では、予定されていた便の46%が過去4週間にキャンセルとなった。
英港湾協会のリチャード・バランタイン最高経営責任者(CEO)は、貿易の流れに影響が出始めていると指摘。「輸送コストの上昇に加え、サプライチェーンの川下でも、コスト上昇や一部商品の不足といった問題が生じてくるだろう」と述べた。