[シドニー/シカゴ 18日 ロイター] - 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で航空需要の激減に苦しむ航空会社や航空機メーカーに対し、各国政府が支援に乗り出している。
航空各社が現金確保のために新規受注を停止するなか、ボーイング (N:BA)は、債務保証を含め少なくとも600億ドルの流動性支援を航空宇宙産業に供与するよう政府に要請した。
米航空各社はすでに、500億ドルの供与と融資、さらに数百億ドルの税控除を政府に要請。各社の幹部らは18日午前、トランプ大統領と電話会談を行う予定となっている。
3人の関係筋によると、欧州のエアバス (PA:AIR)も、新型コロナ危機が数カ月続いた場合は、何らかの政府支援を要請する可能性があると示唆している。
オーストラリア政府は、国内の管制サービス料など航空会社に課しているサービス料金7億1500万豪ドル(4億3000万米ドル)相当を還付・免除する方針を発表した。
台湾の民間航空当局は17日夜、台湾の航空会社は1月15日まで遡って新型コロナ対策にかかるコストを軽減するための補助金や融資を申請できると発表した。通常の運転資金に充てるための融資も申請できるとしている。
スウェーデン政府とデンマーク政府は17日、スカンジナビア航空 (ST:SAS)に対する3億ドルの融資保証を発表した。
国際航空運送協会(IATA)は、必要とされている政府支援は全世界で2000億ドルに達する可能性があると推計している。
トランプ米大統領は17日、米国内の一部地域に旅行制限を設ける可能性も排除しないと発言しており、そうなれば米航空各社はさらなる打撃を被る。