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SBSHD Research Memo(2):3PLと物流施設の流動化ビジネスを組み合わせた独自ビジネスモデルで成長

発行済 2020-04-21 15:02
更新済 2020-04-21 15:21
© Reuters.  SBSHD Research Memo(2):3PLと物流施設の流動化ビジネスを組み合わせた独自ビジネスモデルで成長

■会社概要1. 会社沿革SBSホールディングス (T:2384)は1987年、首都圏で「即日配送」という当時にはなかった配送システムを提供するユニークな会社として、現代表取締役社長の鎌田正彦(かまたまさひこ)氏によって設立された。

2003年には日本証券業協会に株式を店頭登録し、財務基盤を強化した上でM&A戦略を積極化し業容を拡大していく。

2004年に雪印物流(株)、2005年に東急ロジスティック(株)、2006年に(株)全通など大手物流企業を相次いでグループ化し、2006年12月期の売上高は1,426億円となり、2003年12月期(売上高193億円)から3年間で7倍強の急成長を遂げた。

物流事業を拡大するとともに、3PL事業の拡大・強化のため物流施設の開発及びその流動化事業も2004年に開始している。

流動化スキームを用いることによって、資金効率を高め成長を加速していくという独自のビジネスモデルを確立し、成長の原動力になっている。

開発実績としては、2005年に大宮センタービル(オフィスビル)を手掛けて以降、2018年までに22施設(約18万坪、投資総額760億円)の開発を行い、うち11施設(譲渡額650億円)の流動化を実施している。

2011年以降はアジアへの進出を開始し、2014年にインドの大手国際物流企業Transpole LogisticsをM&Aでグループ化した。

しかし、その後の中国経済の減速や新興国経済の低迷、フォワーダー間の価格競争激化等によりSBS Transpole Logisticsの収益が急速に悪化し、今後の再建は困難と判断し事業売却を決断。

2015年12月期に100億円を超える特別損失を計上し、海外事業は一旦、縮小する格好となったが、2018年8月にリコーロジスティクスを子会社化したこともあり、再度、海外事業を拡大していく体制を整えている。

なお、2019年12月期末時点の連結子会社数は24社、持分法適用法関連会社1社(ゼロ (T:9028))、物流倉庫面積は約50万坪(自社保有8万坪)となっている。

2. 事業内容同社の事業セグメントは物流事業、不動産事業、その他事業の3つのセグメントで構成されている。

売上高に関しては物流事業が全体の9割強を占めているが、営業利益は物流事業で6割強、不動産事業で4割弱とほぼ二分している。

ここ数年は、不動産事業で開発した物流施設を活用した3PL事業などの拡大、SBSリコーロジスティクスの子会社化などにより、物流事業の構成比が上昇傾向にある。

不動産事業は流動化のタイミングによって利益の変動が大きいため、物流事業の構成比上昇は全体収益の安定性向上につながり、良い傾向と言える。

事業セグメント別の概要は以下のとおり。

(1) 物流事業物流事業の売上高の約9割は国内物流となり、物流種別の売上構成比で見ると、一般物流が6割、食品物流が3割、即日配送が1割と、BtoBの物流業務が大半を占めている。

また、会社別で見ると、リコー (T:7752)製品や大塚商会 (T:4768)の「たのめーる」(オフィス用品通販)の物流・3PLを手掛けるSBSリコーロジスティクスが約3割を占め、物流に関わるすべてのソリューションを提供するSBSロジコム(株)、食品物流・低温物流を主力とするSBSフレック(株)がそれぞれ2割強、個人・企業間や個人向けの即日配送を行うSBS即配サポート(株)が1割強、個人宅配(生協)、農産品物流などを行うSBSゼンツウ(株)が1割弱を占めている。

営業エリアはSBSリコーロジスティクスが全国に展開しており、SBS即配サポートは首都圏、その他グループ会社は関東、関西、中部を中心とした主要都市圏で展開している。

また、約10年前より本格的に開始した3PL事業は、食品メーカーや大手流通企業、EC事業者など着実に顧客を開拓しており、国内物流売上高に占める比率は2019年12月期で約5割まで成長している。

海外展開についてはシンガポール、香港、タイ、ベトナム、マレーシア、フィリピンのほか、SBSリコーロジスティクスが展開している中国、米国の拠点が加わっている。

(2) 不動産事業不動産事業では、自社グループにおける3PL事業を展開していくための物流施設を開発、流動化することによって設備投資資金を回収し、新たな物流施設の開発につなげていくといった成長戦略を推進している。

この不動産流動化によって得られる収益のほか、従来から保有しているオフィスビルやマンションなどの賃料収入、及び自社のオペレーションが入らず賃料のみを収受している物流施設からの収入などが含まれている。

同社の不動産流動化のビジネスモデルは、低リスク高収益であることが特徴となっている。

新たな物流施設の開発に当たっては、物流事業者固有のライセンスを活用するとともに専門性を有するアセットマネジメントチームによる企画を通じ開発費用を抑えることができ、価格競争力のある賃料が実現する。

このため、景気低迷などで荷量が減少しても高い賃料の倉庫からの業務が入ってくるため、稼働率を落とすことなく運営を継続できる。

また、テナント企業が5割程度決定してから着工することを原則としているため、顧客を想定して作り込みを行えることも、過剰な機能を排することができコストを抑えられる要因である。

自社の3PL拠点として稼働率をほぼ100%とし、事業用不動産としての価値を高めた上で売却し、セールス&リースバックで継続して使用するため、買い手は安定した収益性を確保でき、Win-Winの関係を構築している。

(3) その他事業その他事業は、売上高の6割弱を倉庫内の軽作業派遣を中心とした人材事業で占め、次いでマーケティング事業(ペットフードの通販サイト運営、ECマーケティング等)が2割強、残りを太陽光発電事業、リサイクル・環境事業、リース・保険事業等で占めている。

太陽光発電事業に関しては、自社の物流センターや事業所の屋上等に太陽光パネルを設置しており、2019年12月期末時点の発電能力は合計で約11MWとなっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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