[ニューヨーク 21日 ロイター] - JPモルガン・チェース (N:JPM)やバンク・オブ・アメリカ (N:BAC)など世界の大手銀行10行が14年近くにわたって米社債市場を不正に操作し、一般の投資家に多額の損害を与えたとして、マンハッタンの連邦裁判所に21日提訴された。
訴訟を起こしたのはプエルトリコに住む投資家が代表を務める投資家グループ。10行が2006年8月以降、一定単位(100万ドル)に満たない「端債」の取引に過度な手数料を課したことが、反トラスト法違反にあたると主張し、集団訴訟としての認定を求めている。
端債の取引は社債取引全体の90%を占める
提訴されたのは他にバークレイズ (L:BARC)、シティグループ (N:C)、クレディ・スイス (S:CSGN)、ドイツ銀行 (DE:DBKGn)、ゴールドマン・サックス (N:GS)、モルガン・スタンレー (N:MS)、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド (L:RBS)、ウェルズ・ファーゴ (N:WFC)もしくはその関連会社。
訴状は、10行が米社債の引き受けで3分の2以上のシェアを持つことを利用して、端債の売買気配値のスプレッドをひそかに広げていたと指摘。端債のスプレッドは、機関投資家が通常行う100万ドル以上の取引と比べて25-100%大きく、個人投資家の取引コストを引き上げることで10行が収入を増やしたとしている。
バンク・オブ・アメリカ、バークレイズ、シティグループ、クレディ・スイス、ゴールドマン・サックス、ウェルズ・ファーゴはコメントを控えている。他行のコメントはとれていない。