[22日 ロイター] - 米投資会社シカモア・パートナーズは22日、ランジェリーブランド「ビクトリアズ・シークレット」の過半数株を5億2500万ドルで取得するとの合意を破棄すると発表した。新型コロナウイルス感染拡大に伴い、ビクトリアズが休業し、従業員を一時帰休させたことが影響している。
現在ビクトリアズの経営権を持つLブランズ (N:LB)はシカモアの姿勢に反発。新型コロナ大流行でM&A取引の条件がどう解釈されるかを巡り、米国で初めてとなる大規模な法廷闘争が展開されそうだ。
シカモアはデラウェア州の裁判所に提出した文書で、Lブランズがシカモアの承認を得ずにほぼ世界中のビクトリアズの店舗を閉鎖したことは、2月20日に取り交わした株式取得の条件違反だと主張している。またLブランズによるビクトリアズの大半の従業員の一時帰休や幹部報酬削減で、事業の価値が損なわれかねないと申し立てた。
その上でこれらの措置が新型コロナへの対応だという説明では、Lブランズ側の明確な合意条件違反を全く弁護できないとしている。
一方Lブランズは、シカモアによる合意内容破棄は妥当性を欠き、実行を迫るためにあらゆる法的手段を行使していくと述べた。