[ロンドン 23日 ロイター] - 資源大手アングロ・アメリカン (L:AAL)は23日、年間の設備投資計画を約10億ドル縮小し、40─45億ドルにすると発表した。また、これが先行きの設備投資計画に影響する可能性もあるとしている。
南アフリカが新型コロナウイルス感染拡大抑制に向けた全国的なロックダウン(都市封鎖)を実施していることで、南ア市場での利益がほぼ半分を占める同社はコスト削減を余儀なくされている。
同社の第1・四半期の生産高は4%減少した。「新型コロナ感染拡大抑制策は、事業計画の承認や現在進行中の事業の遅延につながる可能性がある」としている。
南アでの操業率が50%にとどまっていることを受け、同社は2020年の一般炭、プラチナ、パラジウム、鉄鉱石、ダイヤモンドの生産見通しを下方修正した。
また成長の柱であるペルーの銅鉱山開発プロジェクトは、全国的な隔離措置のため3カ月間作業が中断している。
一方、ブラジルでの生産は増加しており、ミナスジェライス州の鉄鉱石採掘プロジェクト「ミナス・リオ」の第1・四半期の生産高は31%増加となった。
RBCキャピタルマーケッツのアナリスト、タイラー・ブローダ氏は「アングロは、事業面でも、またダイヤモンドについては市場面でも、同業他社に比べて新型コロナの影響を大きく受けているとみられる」と指摘した。ただ、同社の財務は弾力性があるという。
アングロは、生産国の通貨安や原油安で恩恵を得るほか、裁量支出の抑制や間接部門の人員減などを通じて約5億ドルのコスト削減を行う方針。
3月末時点での手元流動性は145億ドル。5月には予定通り配当を支払う予定という。 OLJPBUS Reuters Japan Online Report Business News 20200423T110134+0000