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ウェーブロックHD Research Memo(3):住宅用壁紙、防虫網で国内トップシェア(1)

発行済 2020-07-09 15:03
更新済 2020-07-09 15:21
© Reuters.  ウェーブロックHD Research Memo(3):住宅用壁紙、防虫網で国内トップシェア(1)

■会社概要2. 事業内容ウェーブロックホールディングス (T:7940)は複数の素材(樹脂、繊維、紙、金属等)と各種加工技術(ラミネート、カレンダー加工、多層押出、印刷、真空成型、蒸着、紡糸、編織等)を「組み合わせる」ことで生み出される様々な付加価値製品(壁紙、食品トレー容器用シート、農業用及び建設・工事用シート、防虫網、金属調加飾フィルム等)の製造・販売を各グループ会社で展開している。

(1) インテリア事業インテリア事業では主に住宅用壁紙製品の製造販売を展開しており、国内の製造シェアはトップとなっている。

壁紙業界の構造は、同社や大日本印刷 (T:7912)等の壁紙メーカーと、それを自社ブランドとして販売するサンゲツやリリカラ (T:9827)等のブランドメーカーとで棲み分けされており、ブランドメーカーではサンゲツが国内市場で50~60%とトップシェアを握っている。

また、同社のインテリア事業の売上高のうち、サンゲツ向けの比率は2020年3月期で8割強と大半を占めている。

壁紙業界では、ブランドメーカーが最終ユーザー(工務店、デベロッパー、一般消費者等)に対して定期的に発売する見本帳※をもとに壁紙を提案し、最終ユーザーがその中から新築またはリフォーム用途等で使用する壁紙を選定して発注し、ブランドメーカーが受注に基づいて壁紙メーカーに発注する流れとなる。

このため、壁紙メーカーは、ブランドメーカーが発売する見本帳への掲載点数を増点すること、また、その中で最終ユーザーから選ばれる製品をいかに多く掲載できるかが、売上増加の重要なカギとなる。

ちなみに、サンゲツが2019年6月に発売した見本帳「SP 2019-2021」(量産品)に掲載されている見本品のうち、4割程度が同社製品である。

※実物の色や素材を確認するために、一定数のサンプル品を1冊のブック形式にまとめたもの。

見本帳に掲載される製品は同一価格帯となっており、ブランドメーカーはグレードや用途等に合わせて複数の見本帳を定期的に更新、発売している。

見本帳は一般的には2年ごとに更新されているものが多い。

同社は、壁紙の中でも一般的に広く利用される量産品と、高価格帯となる中級品を手掛けており、製造体制としては量産品を一関工場(岩手県)で、中級品を成田工場(千葉県)で製造する2工場体制を敷いている。

同社の特徴として、量産品において業界トップのコスト競争力を有していることが挙げられる。

これは同社が事業開始当初は製造の前工程(裏打紙に樹脂をコーティングし壁紙ベース材とする工程)だけを行っており、ベース材に関して他社よりも製造能力の高い設備を保有していたこと、また、1995年に現サクラポリマーに資本参加して以降、後工程(印刷工程、発泡・エンボス工程)まですべての工程を内製化し、2017年2月に、ボトルネックとなっていた後工程の設備の増強により一関工場の生産能力を従来比1.5倍に引き上げたことが要因となっている。

(2) マテリアルソリューション事業同社は2019年1月より編織事業と産業資材・包材事業を組織統合し、2020年3月期より新たにマテリアルソリューション事業としてセグメント開示した。

事業部名にソリューションを加えたのは、保有する技術力や開発ノウハウを組み合わせて顧客課題を解決する「ソリューションの提供」を可能にする体制を構築し、事業拡大につなげていく意思の表れと言える。

旧編織事業の主力製品は、住宅用の防虫網や園芸用ネット、遮光網等の樹脂製ネット製品等で、張替用防虫網では国内で約7割とトップシェアを握り、その他の製品についても高シェアを有している。

主要顧客は大手ホームセンターのほかサッシメーカーや建設・仮設リース会社、農業資材卸専門店等となる。

防虫網や園芸用ネット、遮光網等に関しては売上の季節変動が大きく(例年3月から8月がピーク)、また、その年の天候状況によっても需要が大きく変化するため、ホームセンターでは在庫管理が難しい商材として位置付けられている。

このため、同社は静岡県内にある自社工場(掛川工場、袋井工場)敷地内の3分の2を倉庫スペースに充て、生産を通年で平準化しながら在庫を一定量自社で蓄え、また、シーズンインに向けた顧客店舗への大量発送および急な受注にも対応可能な物流体制を備えていることにより、顧客店舗での品切れリスクを解消可能とする販売体制を敷いている。

ここ数年は海外から競合する低価格商品が入ってくるものの、こうした販売体制は構築できておらず品切れが発生することも多い。

製品の品質の高さもさることながら、こうしたサポート体制が充実していることも、同社の高いシェアにつながっているものと考えられる。

また、旧産業資材・包材事業のうち産業資材は、主に建設仮設資材や業務用衣料、農業資材、工場向け間仕切り用カーテン、防煙垂壁用途の高透明不燃シート等を複数の樹脂素材を組み合わせて加工することによって製品化している。

販売先は、主に建設・仮設リース会社や商社等となる。

また包材事業では、合成樹脂を原料とし、用途に合わせて耐熱性等の機能を付与させた各種シート及びその成型品を製造し、食品メーカーや容器メーカー等に販売している。

生産拠点は古河工場(茨城県)がメインの工場であり、一部製品については一関工場で製造している。

なお、マテリアルソリューション事業のサブセグメントとして市場別に、リビングソリューション(生活資材)、ビルディングソリューション及びインダストリアルソリューション(産業資材)、パッケージングソリューション(包材)、アグリソリューション(農業資材)に分類している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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