[ワシントン 9日 ロイター] - トランプ米政権は今週、米政府が中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)[HWT.UL]など中国5社の製品を使った企業のモノやサービスを発注することを禁止する規制を完成させる予定だ。米当局者が明らかにした。
対象企業はファーウェイのほか、同業の中興通訊(ZTE) (SZ:000063)、監視カメラ大手の杭州海康威視数字技術(ハイクビジョン) (SZ:002415)、同業の浙江大華技術(ダーファ・テクノロジー) (SZ:002236)、無線通信機器の海能達通信(ハイテラ) (SZ:002583)の5社。日々の業務で5社の機器やサービスを使っている企業は、免除を認められない限り政府と取り引きすることができなくなる。
米行政管理予算局(OMB)のボート局長代行はロイターに宛てた声明で「中国などの敵国がわれわれのシステムに潜入しようとすることで米国が直面する危険は大きい」と指摘。「トランプ政権は連邦政府の調達に関して禁止令を完全に導入することで、ファーウェイなどの不正な企業から政府を守っている」とした。
連邦調達規則評議会(FARC)による規則は8月13日に発効する。
これまでは規制の導入と施行に関して政府の請負業者にどのように適用されるのかが不明瞭だったが、政権は規制の導入を先送りしない姿勢と、企業が免除されにくいことを明確にした。
現在の契約に影響があるかは不確かである一方、今後の契約は複雑になりそうだ。
例えば、米ネット通販大手アマゾン・ドット・コム (O:AMZN)は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)のさなか、4月に検温カメラを浙江大華技術から1500台購入した。
アマゾンのクラウド部門は米機密情報の分野で主要な請負業者だ。米国防総省の最大100億ドル規模のクラウド・コンピューティング契約を巡り米IT大手マイクロソフト (O:MSFT)と争っている。
当局者によると、米政権は各機関に対し、企業を免除する前に国家安全保障に関する分析を実施することを要請する。法律で米議会は明示していなかった。ファーウェイなど対象中国企業からの調達を禁じるだけでなく、それらの影響力を排除する狙いがあるという。当局者は、米政府と取引するか、中国企業と取引するかを選ぶことになると指摘した。