[上海 10日 ロイター] - 中国人民保険 (SS:601319)は、第2位株主の中国国家社会保障基金が6カ月内に発行済み株式の最大2%を売却すると発表した。これとは別にIT関連の上場3社も株主である政府系半導体ファンドによる株式保有縮小を発表、中国株高が背景にあるとみられる。
中国国家社会保障基金が売却するのは元建て株の最大8億8448万株で、本土上場株の9日終値に基づく売却額は最大10億ドルに上る。このニュースを受け、上海上場の同社株は10日序盤の取引に6%下落したが、月初からはなお20%高の水準。香港上場株 (HK:1339)の価格の3倍に膨らんでいる。
中国株式市場は景気の早期回復や資本市場改革、海外からの資金流入加速への期待感でこのところ、大幅上昇を演じている。
IT企業の深セン市匯頂科技 (SS:603160)と無錫市太極実業 (SS:600667)、北京北斗星通 (SZ:002151)は10日、政府系の半導体ファンドである国家集積回路産業投資基金が3社の株式の保有を減らすと発表した。
中国のハイテク株はここ1年で特に大きく値を上げている。米中の緊張が高まる中での政府の支援策や愛国心が支えている。上海と深センの株式市場に上場する有力企業300銘柄で構成するCSI300指数 (CSI300)の年初からの上昇率が17%なのに対し、ハイテク株指数<.CSITII>は約37%急騰している。