[香港 14日 ロイター] - 中国は、新型コロナウイルス対策として実施していたマカオと広東省の越境規制を緩和した。マカオを訪れる中国人の50%近くが広東省からということもあり、前場の香港株式市場では需要急回復期待からマカオのカジノ株が急伸した。
新型コロナ流行を受け、マカオと本土の往来は3月下旬から事実上禁止されていた。
広東省当局は13日夜、マカオからの入境者に課している14日間の隔離を15日から撤廃すると発表した。
14日前場の香港株式市場ではウィン・マカオ (HK:1128)が7%高となったほか、MGMチャイナ (HK:2282)も5%上昇した。ただ、年初来ではウィン・マカオが25%、MGMチャイナは21%それぞれ下げている。
一部アナリストは需要の回復を期待。JPモルガン(香港)のアナリスト、DS・キム氏は「広東省からの需要が、通常の70%程度まで急回復する可能性がある」と述べた。
一方、サンフォードC・バーンスタインのアナリスト、ビタリー・ウマンスキー氏は「広東省以外からマカオに来る個人は、帰りに広東省で2週間の滞在が必要となりそうだ」と述べ、マカオへの訪問にはなおハードルがあると指摘した。
引き続き、過去7日間の感染検査で陰性などといった要件を満たすことも求められる。
マカオでは、新たな市中感染が100日あまり確認されておらず、入院した感染者45人全員がすでに退院している。
これに対し、香港では再び感染が拡大し、感染防止のための規制が15日から再び導入される。